会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

時差にご用心 短信と四半期報告、開示順にルールなし(日経より)

時差にご用心 短信と四半期報告、開示順にルールなし(記事冒頭のみ)

四半期決算の決算短信が適時開示されるよりも早く、四半期報告書がEDINETで提出された例があったという記事。

「今月11日、東証マザーズ市場に上場する日本電解の情報開示の時間差が市場で話題になった。四半期報告書がEDINETに開示されたのは13時40分。4~6月期の決算短信がTDnetに出たのはその20分後の14時ちょうどだった。TDnetでの開示を待っていた市場参加者が右往左往したのは言うまでもない。」

このケースは、開示順の逆転に深い意味はなく、単に、タイミングを間違えただけなのでは。

そもそも、四半期決算短信は、通期決算と違って、東証から早期化を要請されていないそうです。

「東証は四半期の決算短信を早期化要請の対象としていない。金融商品取引法に基づく四半期報告書の提出期限が原則、45日以内となっているため、同報告書の提出義務を負う上場企業であれば、通常は45日以内に四半期決算短信を公表するはずだという建て付けになっている。」

通期では、東証の要請に従う限り、短信より有報が早くなることはありませんが、四半期は四半期報告書の方が早くなることはありうるようです。

監査や四半期レビューとの関係は...

短信は監査やレビューの対象外とはいえ、作成過程で監査人がまったく関知しないのはまれだという。財務・会計に詳しい日本総合研究所の山田英司理事は「国際会計基準の採用が広がり、引当金の処理や収益認識などの会計実務が複雑になるなかで、監査人のチェックが入った短信を出そうという流れが強くなっている」と話す。」

内容はほぼ同じだが、形式などが微妙に異なるものを、2つ、相互に矛盾がないように作成し、提出する(しかも微妙に公表タイミングをずらして)というのは、めんどくさそうです。同日に提出・公表するのであれば、短信の方は四半期報告書を添付する方法でよいのでは。

コメント一覧

Unknown
最終段落のご意見、全く同感です。
企業に余計な負担をかけさせないように、どんどん制度改善していかないと、企業は強くならず、経理や監査の仕事も敬遠されるばかりでしょう。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事