世界の機関投資家が、投資先企業に税務の透明性を求めているという記事。
「欧州では過度な節税策をとり、その説明も怠る企業への投資を見送る年金基金が出てきた」とのことで、いくつか例を挙げています。
「「適切で透明性のある税務を期待する」。ノルウェー政府年金基金の運用を担うノルウェー銀行インベストメント・マネジメントのニコライ・タンゲン最高経営責任者(CEO)は強調する。
同社は税率が低い地域での事業状況や実効税率が10%未満など6つの指標で9000社以上の投資先を評価。基準を満たさない約130社を第三者機関のデータなどで精査し、7社を投資対象から外した。」
「欧州約10の投資家からなる「シェアホルダーズ・フォー・チェンジ」は英ボーダフォンなど欧州通信大手4社と税金を巡って対話したと公表した。ボーダフォンはルクセンブルクなどに利益を移していると指摘する。」
「英運用大手リーガル・アンド・ジェネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)は2022年から議決権行使の基準に、税務を含む6分野の開示状況を入れる。開示が不十分な企業には株主総会の役員選任などで反対票を投じる。」
「国連責任投資原則(PRI)も企業が税務に関して開示すべき要素をまとめるなど、税の透明性確保に動いている。」
背景は...
「多国籍企業の納税額の低さも背景にある。タックス・ジャスティス・ネットワークによると、企業が法人税がないか非常に低い地域に利益を移したことによる租税回避額は約2450億ドル(約27兆円)にのぼる。巨大IT(情報技術)企業が知的財産などを低税率国の関係会社で保有するなどし、税負担額を抑制しているとの指摘がある。」
日本企業の対応例も紹介されています。
「ロームは今年3月、投資家からの情報開示拡充の要請の高まりを受け税務方針を策定した。租税回避は「企業価値を低下させるもの」と明記し、租税回避を主な目的とするタックスヘイブンは利用しない。ワコールホールディングスも1月に取り組みを税務行動指針として明文化した。税金関連の情報を広く開示することなどを掲げる。」
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