エクシア・デジタル・アセット株式会社に対する行政処分について
関東財務局長から、エクシア・デジタル・アセット株式会社(暗号資産交換業者)に対して、業務停止命令及び業務改善命令が発出されました(2022年11月30日)。投資家とのトラブルが発生し、投資詐欺疑惑も報道されているエクシア合同会社のグループ会社のようです。
詳しくはこちら。
エクシア・デジタル・アセット株式会社に対する行政処分について(関東財務局)
「処分の理由」より。
「当社に対し、令和4年11月22日及び28日、法第63条の15第1項の規定に基づき報告を求めたところ、以下の状況が確認された。
(1) 当社は、外部からの資金援助がなければ令和4年11月30日に予定されている支払がすべて行えない状況にあり、業務継続に必要な運転資金が不足する事態となっている。かかる事態を踏まえ、当社は、外部から資金支援を得るべく交渉しているものの、現時点において具体的な資金確保の見通しは立っていない。また、当社に対して、11月及び12月の資金繰りの実績及び予定を示すよう求めたところ、入出金の発生見込みを明確に把握できていないことが確認された。
当社は、暗号資産交換業にかかる取引システムの開発・保守運用及び受託暗号資産の管理を外部ベンダーに委託しているところ、今月中に外部ベンダーへの支払ができなかった場合、取引システムの継続に支障が生ずる可能性がある。これに対し当社は、外部ベンダーについては、当社の資金調達にある程度の目途がたった段階での支払いの遅延、業務の継続に対する交渉には応じてもらえるものと考えているとしているが、現時点において当該資金支援の目途はたっていない。これらの状況は取引システムが安全かつ安定的に稼働しない可能性があり、利用者の金銭・暗号資産の分別管理等、利用者保護のために必要な措置が行われないおそれがあるものと認められる。
(2) 当社は、東京都港区六本木3-2-1住友不動産六本木グランドタワー15階を所在地として登録しているが、親会社から令和4年11月末日までの退去を要請されたことから、取締役を含む社員は令和4年11月28日からリモートワーク体制により業務を行っている状況にある。 また、12月1日以降の移転先は確保されておらず、現在、移転先は未定である。
こうした中、当社は、情報の安全管理等について現状に変更はないとしてリモートワーク体制での業務を開始しているものの、例えば顧客暗号資産の秘密鍵について、十分なリスク評価を行わないまま、保管方法を変更している状況が認められるほか、業務関係書類の一部や預金通帳等を移転前所在地に残置しているにもかかわらず、立入りができなくなっている状況が認められる。...」
倒産寸前の会社みたいです。
暗号資産交換業者「エクシア・デジタル・アセット」に行政処分(CoinPost)
「エクシアは2016年6月に創設され、事業内容は「仮想通貨交換業とブロックチェーン技術による企画・開発事業」。日本発の仮想通貨「c0ban(コバン)」を活用したサービスを展開している。
以前は「LastRoots」という社名だったが、21年1月にエクシアに社名を変更。19年11月には金融庁の認可を受け、仮想通貨交換業を登録した。
現在は取引所のプラットフォームを開くことはできないが、関東財務局の資料によれば、取扱銘柄はc0banのみである。」
この会社がオウケイウェイヴの子会社だったときの記事です。
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金融庁が認めた仮想通貨交換所の「ある評判」
最後のみなし業者「ラストルーツ」が登録(2019年)(東洋経済)
「ラストルーツの交換業登録をめぐっては、同社と既存の交換業者で構成される業界団体、金融庁の3者間での駆け引きが長く繰り広げられた。大きな論点となっていたのがラストルーツの親会社社長である松田氏の「評判」だ。」
「オウケイウェイヴへの経営参画は、同社創業者の兼元謙任社長(当時、現会長)に知人の経営者を通じて出会ったことがきっかけだった。」
「兼元氏にAI(人工知能)や医療関連の事業投資案件を紹介するなどしているうちに、松田氏は役員として抜擢され、2018年7月にオウケイウェイヴの社長に就任。現在は会長に退いた兼元氏に代わり、オウケイウェイヴの筆頭株主にもなっている。」
「毀誉褒貶が交錯する松田氏だが、理解を示す人物もいる。2018年7月からオウケイウェイヴの特別顧問になった大森泰人氏だ。
大森氏は金融庁で証券課長や市場課長などを歴任し、証券取引等監視委員会の事務局長を最後に2015年に退官。行政官としての経験に基づき、金融や市場のあり方に一家言を持つことで知られる。
「彼の毀誉褒貶は承知している。(金融庁)長官経験者にも『おまえ大丈夫か』などと言われたが、『(彼に)会ってもいないならそんなことを言ってくれるな』と返した。人を見る目がないとは自分では思っていない。粗削りだけどいい仕事をやりたいという彼の思いは本物だろう」
大森氏に松田氏評を問うと、このような答えが返ってきた。」