社会福祉法人から資金30億円流出、広島県の監査は「不適切」…会計士の同行なく問題追及できず
広島県の社会福祉法人「サンフェニックス」の資金流出問題(会計士協会の役員だった会計士が関与していました)で、同法人を所管していた広島県による監査などに問題があったという記事。
どのような事件か...
「サンフェニックスでは2016年3月、医師で理事長だった××××被告(73)(業務上横領罪で起訴)と、後任の理事長となった××××被告(59)(同)が総額42億円で経営権を移転する契約を締結。その後、約30億円あった預金が流出するなどし、21年9月に民事再生手続きが適用された。」
この後任の理事長が会計士でした。
監査の問題点。
「県の運用では本来、監査の際に知事が委嘱した公認会計士を同行することになっていたが、会計士の日程が合わなかったため、連れて行かなかった。県は監査方針の検討時や監査結果の確定時にも会計士に相談せず、「文書で指摘すべき事項はない」と判断していた。
検証結果では、会計士の同行を見合わせたため、当然追及すべき取引を追及できず、監査前後でその知見の活用もしていないと言及。「不適切事例の情報を得たら、厚労省などに相談して速やかに対応を検討し、問題の改善まで継続的に監査などを行う必要がある」と指摘した。」
社会福祉法で設置が義務づけられている会計監査人もいなかったそうです(同法人は負債基準に該当)。
また、提出された財務書類などのチェックについても「(書類の)形式的な確認にとどまり、財務状況などを把握できていなかった」と指摘されたそうです。
悪事を企てた方には会計士がいて、監督・監査する方は、会計士の関与が薄かったということになります。