LIXILグループの社長兼CEOの退任を取り上げた記事。
「社内外を驚かせた退任会見は──英国に活動の拠点を置いていたとはいえ──(後任の)瀬戸氏が不在のまま、藤森氏が一人で「(中国の孫会社における粉飾決算に起因して約660億円の巨額損失を出すことになった)ジョウユウ問題とは全く関係がない」と強調する一方で、約5年間の在任期間中に自らが主導してきた“グローバル化”などの数々の経営改革の成果を述べて自己正当化に終始するという、どこか不可解なものだった。」
ジョウユウ問題については...
「振り返ってみれば、15年3月末の時点で、ジョウユウ問題の震源地となった独グローエ・グループのデイビッド・ヘインズCEOは、LIXILウォーターテクノロジーカンパニーのCEOに昇格し、全世界の水回り事業を統括する立場になった。後に、ジョウユウ問題が発覚し、結果的に巨額損失を出す事態に至っても、ヘインズ氏の職掌は何も変わっていない。
ジョウユウ問題は、15年11月16日に経過報告(事実上の終結宣言)が出されたが、「ジョウユウの経営者である蔡建設・蔡吉林氏に対する訴訟手続きに踏み切ったなどの経過説明があっただけで、今も詳細な調査報告書の類いは公開されていない」(証券アナリスト)。」
東芝の場合は、詳細な調査報告書を出すことにより(監視委の調査が入ったのでしかたなく出したのでしょうが)、報道の材料を与えることになり、批判が増幅していったわけですが、LIXILのように、ほとんど中身のないものしか出さなければ、追及されることもないのでしょう。LIXILはジョウユウ問題で、訂正報告書を出しているわけですから、過年度決算が粉飾だったことは認めているわけです。本来は、もっと詳細な開示を行うべきでしょう。
ほとんど他の報道からの引用ですが...
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LIXILグループを追われる「プロ経営者」藤森義明社長の大失敗(前)(NetIBNews)
「中国で現地取材した『FACTA』によれば、中宇が本拠地としている福建省の地域では、家族と会社、自社と他社、政府と企業などの区別があいまいで、帳簿の改ざんは日常茶飯事。土着性が極めて強く、地縁による強い連帯感で結ばれ、資金調達で相互に債務保証して助け合ってきた。先進国の企業会計の常識が通じない世界だという。そんな地縁社会の相互扶助企業なんか、絶対に買ってはいけなかった。
それなのにLIXILは買収に踏み切り、あまつさえ香港の子会社に330億円の債務保証をしていた。最大のミステリーだ。同誌は、グローエ株を保有する米投資会社はグローエを第三者に売却する場合は、必ず同意を得るという協定を蔡一族と結んでいたことをスッパ抜いた。〈LIXILは蔡一族が首を縦に振らなければグローエを買収できない立場だった。それに焦って目が曇り、ジョウユウという「毒饅頭」を喰った可能性が高い〉と結論づけた。」
日本でも、地場産業の世界では似たような面があるのでは。融通手形という取引もあります。
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