金融庁は、オー・エイチ・ティー株式会社が作成した財務書類(平成16年4月期から同18年4月期まで)について、創研合同監査法人(現・清算法人)の業務執行社員として監査証明を行った公認会計士2名に対し、2012年6月20日付で、業務停止6月の処分を行いました。
「相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した」とされています。
具体的には以下のような指摘をしています。
「業務執行社員は、売上に係る監査手続において、提出を要請した外部証憑がOHTから提出されないまま、出荷予定日が確認できるにすぎない社内稟議書などの証憑での確認を行うに留まり、取引の実在性及び期間配分の適切性を判断するのに必要な監査証拠の入手を行っていなかった。
また、期末における売掛金の残高確認において、売上先(残高確認先)からの回答がないものや回答に多額の残高差異があり、取引の実在性や期間配分の適切性に疑義がある状況であったにもかかわらず、業務執行社員は、「売上先が未検収である」とのOHTの説明をそのまま受け入れ、代替手続や残高の差異についての追加手続を行わなかった。」
「業務執行社員は、全社的な売上原価の予算と実績の比較や粗利率の検討といった概括的な監査手続を行っていない上、主要製品である大型検査装置ごとの売上に対応する売上原価について確認することは容易であったが、証憑突合などの確認を行っていなかった。
また、業務執行社員は、外注先に保管された仕掛品の実在性の検討においても、棚卸立会や残高確認といった基本的な監査手続を行っていなかった。」
公認会計士2人に業務停止 金融庁(産経)
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