大和ハウス工業が、戸建て住宅や賃貸共同住宅の一部で建築基準に適合しない建物があったと発表したという記事。
「防火安全性が不十分な恐れ、および柱の仕様が不適合な賃貸共同住宅が合計200棟、独立基礎の仕様が型式適合認定に不適合な戸建て住宅と賃貸共同住宅が合計1878棟あることが確認された。」
レオパレスに続き大和ハウスも…問われる住宅業界の順法精神(産経)
「大和ハウスの12日の発表によると、同社が手がけた30都府県の賃貸アパートと戸建て住宅2066棟で、事前に国から認定を受けた部材や方法を使わず、建築基準法などに違反する恐れがあった。」
「大和ハウスは12日、大阪市内で記者会見し、有吉善則常務執行役員は「現場の設計と商品開発担当の情報共有不足がこういう事態を招いた」とくちびるを噛んだ。」
2千棟に不備、内部通報は2年半前 大和ハウスが謝罪(朝日)
「16年12月に社員からの内部通報があり、発覚。18年7月から調査委員会を設置して、00年以降に販売した約22万棟について調査を進めてきた。違反には約170人の設計者が関わっており、国の認定を得る前に誤って新しい設計、工事をしてしまったという。」
調査を開始するまでが長すぎるようです。
会社のプレスリリース。
↓
戸建住宅・賃貸共同住宅における建築基準に関する不適合等について (大和ハウス工業)(PDFファイル)
財務的な影響は、今のところ、たいしたことはないようです。
「防火に関する安全性が不十分な状況となっている賃貸共同住宅 73 棟についての改修工事等の費用については約 1 億円を見込んでおります。また、独立基礎の仕様に適合しない戸建住宅・賃貸共同住宅についての改修工事等の費用につきましては、お客様との協議により変動することが見込まれます。現時点で業績予想に与える影響は軽微と考えておりますが、業績予想の修正等が発生する場合は速やかに公表致します。」
しかし、ある程度見通しがつくまで、決算は締められないのでは。
レオパレスの方はますます深刻になっているようです。
レオパレス不備、すでに1.4万棟 調査物件の7割超(朝日)
「レオパレス21が建築基準法の基準に合わないアパートを施工した問題で、不備が見つかった物件が3月末時点で少なくとも1万4599棟にのぼることが明らかになった。レオパレスの全物件約3万9千棟の4割弱、調査が済んだ約2万棟のうち7割超の物件で不備が見つかったことになる。調査は全物件の半数ほどしか済んでおらず、不備のある物件はさらに増える可能性がある。」
「全52のアパートシリーズのうち約10シリーズを優先的に調べていたが、残りのシリーズの調査も進めた結果、1991~2018年に着工した約40シリーズにも不備があった。」
レオパレス、施工不良拡大 新たに3700棟(日経)
「レオパレスは「現時点で追加の補修費用は発生しないと考えている」としているが、追加計上の可能性はぬぐえない。昨春以降、3度にわたって特別損失を計上しており、19年3月期の総額は430億円にのぼる。」
監査人は、こういうときこそ懐疑心を発揮して、損失計上にもれがないようにチェックすべきでしょう。
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