「総額1230億円という巨額の不正会計疑惑が、日興にはいまだに隠れている可能性がある」という記事。
具体的には、2月1日発売の月刊『現代』で掲載予定の「日興コーディアル証券まだある総額1230億円粉飾」というリポートのさわりを紹介しています。
「リポートでは、17年3月期だけでなく、18年3月期にもNPIHが保有していたベルシステム24株の評価益を使い、約300億円の利益水増しが行われたと指摘。
さらに、NPIHが17年1月、2400億円を投じて、純資産額1470億円のベルシステム24を完全子会社化した際、差額930億円が評価損となったが、それが処理されず、取得原価で転売される「飛ばし」が行われた疑いがあるという。」
後段の「2400億円を投じて、純資産額1470億円のベルシステム24を完全子会社化した際、差額930億円が評価損となったとなったが、それが処理されず」という箇所は少しおかしいような気もします。投資先の会社の帳簿上の純資産とその会社の株主持分の価値は必ずしもイコールではないはずです(むしろ違うのが普通)。資産負債を時価評価して、さらにのれんの価値を加味すれば、純資産より大きな金額がその会社を取得する際の原価になることに不思議はありません。もちろん、意図的に過大評価して過大な原価で取得したということであれば、話は別です。
前段についてはこれだけでは判断がつきません。
それよりベルシステムの自社株取得に対する、日興側の会計処理の方が気になります。子会社に対してその子会社の自社株を売却しても、それは投資した元本(+一部配当)が戻ってくるだけですから、配当の部分を除き利益は計上できないはずです(多分していないと思いますが)。
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