会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

社員が1人の社労士法人(タビスランドより)

改正社労士法成立で試験内容見直しにも波及

社会保険労務士法の一部改正の影響を取り上げた記事。

「社会保険労務士法の一部改正法が、先の臨時国会で成立している。改正のポイントは、1)個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続き(ADR)において特定社会保険労務士(特定社労士)が単独で紛争の当事者を代理することができる紛争の目的の価額の上限額を120万円(改正前60万円)に引上げ、2)社会保険労務士(社労士)が補佐人として弁護士とともに裁判所で陳述できる制度の創設、3)社員が1人の社労士法人の設立。」

気になるのは、1人社労士法人です。監査法人の場合は、社員が5人以上と定められていますが、なぜ5人必要なのでしょうか。

監査基準改正により、限られた監査先ですが、審査なしで監査できることになったため、社員1人(業務執行社員1人のみ)で十分という場合もでてきました。また、会計士協会では、監査法人の「会計・監査法人」化を提案しています(「日本の公認会計士及び公認会計士制度のあるべき姿に関する中間論点整理」公開草案)。会計業務だけであれば、社員1人で足ります。

1人監査法人(あるいは「会計・監査法人」)では個人の会計士事務所と同じという考え方もあるかもしれませんが、その会計士が病気などで契約を継続できないような場合に、個人の会計士事務所では契約を解除するしかないのに対し、法人組織であれば、新たに社員を加入させたり、他の法人と合併したりして、契約の継続性を確保でき、クライアントにとっても安心です。また、個人の会計事務所の合併ということはあり得ませんが、法人であれば、合併により規模拡大が可能となります。現行の共同事務所という中途半端な形態による監査も、社員5人以上という制限を外せば、監査法人による監査に徐々に集約されていきます。

ちなみに、税理士法人の場合は2人が最低社員数です。弁護士法人は1人法人が認められているようです。監査法人についても、社員の数の制限を外す(少なくとも税理士法人並みの2人にする)べきでしょう。

上場会社の監査のような社会的影響の大きな業務については、協会の上場会社監査事務所登録制度への登録条件として、最低社員数(例えば「複数業務社員+審査」で3人あるいは外部審査を監査法人でも認めるのであれば2人)を定めるなどすれば対応できます。

改正社会保険労務士法が成立!(全国社会保険労務士会連合会)

弁護士法人の話ですが、士業の法人化のメリット・デメリットが窺えます。

弁護士法人の実像(東京弁護士会)(PDFファイル)
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