2009年10月期決算企業40社の内部統制報告書のうち3社が「重要な欠陥」を開示したという記事。その他、モジュレという会社が09年5月期の訂正内部統制報告書を提出したそうです。
「パソコン関連サービスのモジュレは、過年度の固定資産の会計処理に誤りが見つかり、08年5月期および09年5月期の各四半期決算と年度末決算、10年5月期の第1四半期決算を訂正した。このため訂正内部統制報告書を提出し、重要な欠陥を開示した。第三者による外部委員会を設置して調査した結果、固定資産の会計処理に誤りがあったことが発覚したという。」
内部統制は重要な虚偽記載がないことの合理的な保証を与えているにすぎず、もともと限界があるので、たまたま会計処理が後で見つかったとしても、それが常に内部統制の欠陥を意味するものではありません。また、J-SOXにおける内部統制の評価は期末日という一時点のものですから、評価対象外の期間の内部統制の不備は見つけることができない可能性があります。
したがって、決算の過年度修正=内部統制評価の修正、とはならない理屈ですが、とはいっても、誤りの原因を調べていけば、内部統制と無関係ということはほとんどないでしょうから、やっぱり内部統制評価も修正ということになるのでしょう。
外部調査委員会の調査報告及び過年度決算の訂正について(PDFファイル)
(補足)
金融庁のQ&A(PDFファイル)の問71「有価証券報告書の訂正報告書の提出と内部統制報告書」では以下のような回答となっています。
「有価証券報告書の訂正報告書が提出されたことをもって、直ちに連動して財務報告に係る内部統制に重要な欠陥がないと記載した内部統制報告書について訂正報告書を提出しなければならないということにはならない。ただし、有価証券報告書の訂正報告書を提出する原因となった誤りを検討し、当該誤りが内部統制の評価範囲内からの財務報告に重要な影響を及ぼすような内部統制の不備から生じたものであると判断される場合には、当該内部統制報告書についての訂正報告書の提出が必要になるものと考えられる。」
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