時価総額の低い小粒上場への批判を受けて、大手証券会社や東証がIPO大型化に動いていることを、やや批判的に書いたコラム記事。会計士でもあるIPOコンサルタントの人によるものです。
「これまでのIPOはまだまだ成長途上にありながらも、数億円の利益が出始めた企業が主となっている。これらの企業の株価収益率(PER)は業種や成長性にもよるが、概ね15〜40倍程度が中心であり、当期純利益2億円のスタートアップであれば、時価総額は30億〜80億円程度となる。公開時の時価総額100億円超というハードルは、ディープテックなどの高いバリュエーションを獲得できる限定されたスタートアップでない限り、当期利益2.5〜6億円程度とかなり高いものとなってしまう。
しかしながら、IPOは企業経営者が人生を懸けて邁進してきた事業の成功の証でもある。多くのスタートアップがIPOを目指して事業推進を行っており、そのゴールがずらされることへの抵抗は大きいものとなるだろう。国内でIPOは上場企業としての信頼により、営業活動、銀行からの資金調達、M&A、業務提携、人材獲得など事業展開の質は大きく変化させられる有効な手段だ。
小粒上場批判の根拠であるIPO時の資金調達額の小ささは、まず資金使途の制限の規制緩和を先にすべきだ。」
賛否両論ありそうです。
少なくとも、上場だけをゴールに想定して、よからぬことをやる会社は、上場させないでほしいものです。