日本公認会計士協会は、監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」の改正を、2015年5月29日付で公表しました。関連する委員会報告書の一部改正も併せて公表されています。
改正の概要は以下のとおり(協会プレスリリースより一部抜粋)。
(1) 改正会社法への対応
・ コミュニケーションを行うべき「統治責任者」の定義に監査等委員会を追加
・ 社外取締役その他の非業務執行取締役とも必要に応じてコミュニケーションを行うことが有用な場合がある旨の適用指針の追加(コーポレートガバナンス・コードも考慮)
(2) 独立性に関する指針への対応
・ 独立性に関して監査役等とコミュニケーションを行わなければならない旨の全般的な記載を要求事項に追加し、適用指針に具体的な例示を追加
(3) 監査事務所の品質管理のシステムの整備・運用状況に関する監査人の伝達義務の明確化
・監査事務所の品質管理のシステムの整備・運用状況を書面で伝達することとし、これには、監査事務所の品質管理のシステムの外部レビュー又は検査結果が含まれる。
(少なくとも、公認会計士法上の大会社等、会計監査人設置会社、信用金庫・信用協同組合・労働金庫の監査を対象とする。)
(4) 監査役等とのコミュニケーション項目の明瞭化
・ 計画した監査の範囲とその実施時期の概要に関するコミュニケーションにおいて、特別な検討を必要とするリスクを追加
2015年(平成27年)4月1日以後開始する事業年度に係る監査から適用ですが、改正日である2015年5月29日以後に適用される項目もあります。
(今回の改正では「特別な検討を必要とするリスク」を監査役等に伝達することが明確になったようですが、次のステップは、監査報告書に書くかどうかという検討になるのでしょう。)
この改正に関連して、監査役等への品質管理レビューの結果の伝達についての文書が公表されています。
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監査基準委員会報告書260の改正に伴う監査役等への品質管理レビューの結果の伝達に関する留意点について(日本公認会計士協会)
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