オリンパス事件を映画化する話が進んでいるそうです。
「世界的に大きな注目を集めた光学・電子機器メーカー、オリンパスによる巨額損失隠し事件の映画化計画が英国で進んでいる。昨年、内部で問題を指摘して社長を解任され、事件発覚のきっかけを作った英国人のマイケル・ウッドフォード氏(52)が、ロイター通信に明かした。」
「「オリンパスの事件は驚くべきストーリーで、ウッドフォード氏は魅力的な人物だ」
英国の映画・テレビ番組制作会社「インク・ファクトリー」の担当者はロイター通信にこう語り、映画化への強い意欲を示した。」
「計画を進めているインク・ファクトリーは、MI6(英情報局秘密情報部)所属の元諜報員で、著名なスパイ小説作家であるジョン・ル・カレ氏(81)の息子たちが2010年に設立。ロンドンと米ロサンゼルスに拠点を持っている。
ウッドフォード氏は今年4月に、事件についてつづった「解任」(早川書房)を出版しており、この本が映画の題材となる可能性がある。」
同氏は本人役としてコリン・ファースという俳優の名を挙げているそうです。オリンパスの会計士役(端役だと思いますが)は誰がやるのでしょうか。たぶん好意的には描かれないでしょうが・・・。
これがもとになっている記事のようです。
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Olympus whistleblower eyes movie deal with le Carré sons(ロイター)
産経の記事には書いてありませんが、ウッドフォード氏は人権擁護の慈善活動を通じてル・カレの息子たちと知り合ったようです。
Woodford met the Cornwells through his work with human rights charity Reprieve, which is run by a Cornwell sister-in- law.
同氏の回想録("Exposure: Inside the Olympus Scandal")が出版されるということで、ゴーストライターを使わず、朝の5時前から夜の10時過ぎまでかけて執筆したというような話も書かれています。アマゾンのbusiness biographies and company history部門で2位になっているそうです。
Meanwhile, pre-orders on his memoir, "Exposure: Inside the Olympus Scandal", which is due to hit the UK high street this week, have pushed it into second place on online retailer Amazon's business biographies and company history rankings.
But writing the book took its toll, he says. Woodford, who is known for his doggedness, fell out with the ghost writer and took on the project himself, rising before 5am and scribbling away until 10pm every night for the best part of three months.
Exposure: Inside the Olympus Scandal: How I Went from CEO to Whistleblower (2012) Michael Woodford by G-Tools |
日本ではこの本がすでに出ています。
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解任 マイケル・ウッドフォード by G-Tools |
ついでにル・カレの最新本はこちら
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われらが背きし者 ジョン・ル・カレ 上岡 伸雄 by G-Tools |
オリンパスに嵐を巻き起こした男-ウッドフォード氏、会社人生を語る(WSJ)
「同氏は、仕事人生の大半をオリンパスで過ごしてきたが、前雇用主であるオリンパスに対する自らの行動を後悔していないと述べた。実際、他に異なった行動のしようがあったとはいまだに思っていないという。
同氏はインタビューで、「わたしは6通の手紙を(取締役会宛てに)書いた。わたしは事実に目を向けるよう懇願した。すると彼らはわたしを解任した」と述べた。また「一部の人々は『マイケルは日本の捜査当局に打ち明けたほうが良かった』と言うが、それは甘い。日本の捜査当局が動いたのは、不正があることに世界的な注目が集まったからにすぎない」と語った。」
いまさら、不正対応監査基準がどうのこうのといって取り繕っても、手遅れなのでしょう。
「同氏はまた、「西側諸国では何か事件が明らかになると、それは論理的に検証され、処理される。不正は日本に限ったことではない。しかし、日本ではメディアが甘く、受動的で、自主検閲をしているため、真のストーリーを報じようとしない。いくらそれが重大であったとしてもだ」と話した。」
「告発報復の異動、判決後も」 オリンパス社員が提訴(朝日)