東証1部上場のエルピーダメモリが会社更生法の適用を東京地裁に申請したという記事。
「エルピーダメモリは27日夕、会社更生法の適用を東京地裁に申請したと、発表した。負債総額は前年度末(昨年3月末)時点で4480億円としている。製造業の企業としては、過去最大の経営破綻となる。」
会社更生手続開始の申立てに関するお知らせ(エルピーダメモリ)(PDFファイル)
会社更生手続開始の申立てに至った背景については以下のように書いています。
「・・・パソコン出荷台数や1台当たりのDRAM搭載容量の増加による需要拡大期待を背景に、DRAM業界において、平成18年から19年にかけて積極的な設備投資による製造能力増強が行われた結果、供給が需要を大幅に上回り、平成19年の初頭からDRAM価格は急落を始め、その後需給バランスが改善されないまま、平成20年秋に始まった世界的な経済環境悪化による製品需要の大幅な減少の影響を受けて更に価格下落し、当社は、平成21年3月期において前年対比大幅な業績悪化を余儀なくされました。
・・・
平成22年以降、為替相場が対米ドルで歴史的な円高を記録していること、DRAM業界における競争激化等によりDRAM製品価格が急落していること等、当社を取り巻く経営環境は益々厳しい状況になっていきました。このような厳しい経営環境に変化が見られないまま、平成23年にはタイの大洪水によるDRAM需要の低迷という新たなマイナス要因も加わりました。
以上のような経過により、当社がこのまま自力で事業継続した場合、その資金繰りが早晩破綻することは必至な状況となりました。また、仮に現状を放置して資金繰りの破綻が現実化した場合、当社の企業価値は著しく毀損し、スポンサーによる資金提供等の途も事実上絶たれ、債権者の皆様を始めとする関係各位に対してより多大なご迷惑をお掛けすることが想定されました。そのため当社は、やむを得ず、会社更生法の手続に従って抜本的な財務及び事業の再構築を行うことによって会社再建を目指すこととし、本日申立てを行うに至りました。」
継続企業の前提に関する事項の注記についてのお知らせ(2月14日)(PDFファイル)
第3四半期では継続企業の前提に関する注記が付いていたようです。
(プレスリリースで引用されている注記より)
「・・・㈱日本政策投資銀行に対して発行した優先株式に対する金銭を対価とする取得請求権は、平成24年4月2日以降、同行による行使が可能になります。また、本計画に基づく主要取引銀行を中心とする金融機関からの借入も平成24年4月2日付でその返済期限が到来します。上記の他、今後1年間に有利子負債の返済も予定されており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。」
エルピーダ破綻:「国策会社」守り切れず(毎日)
「国が主導して国内大手電機メーカーのDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)事業を集約した「日の丸半導体」メーカーだが、国が公的資金を注ぎ、「国策会社」となりながらも、世界大手に対抗できなかった。」
国策会社で、継続企業の前提に関する注記が付いている会社といえば・・・。
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