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金融庁、10年3月期から国際会計基準の任意適用を容認へ

金融庁、10年3月期から国際会計基準の任意適用を容認へ | Reuters

金融庁の企業会計審議会で、日本企業に2010年3月期から国際会計基準の任意適用を認める方針が了承されたという記事。

「金融庁は、審議会の了承を受けて来週にも公開草案としてまとめ、一般からの意見を2カ月程度募集した上で、今年の夏をめどに正式な中間報告としてとりまとめる。

 今夏めどの中間報告は、国際会計基準の導入に向けた「行程表(ロードマップ)」と位置づけられる。中間報告もとに金融庁は年内に規則を改正し、2010年3月期の決算に間に合わせる。」

確定版ではありませんが、金融庁のホームページに、審議会で検討された案が資料として掲載されています。大きな修正はないと思われますので、中身を早く知りたい人はこの資料を入手するのがよいでしょう。目次を入れて17ページあります。強制適用についても議論しています。

企業会計審議会第15回企画調整部会議事次第(この中の「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)(案)」という資料です。)

「我が国におけるIFRSの適用に向けた課題と取組み」という項目で、今後の方針についてふれています。以下、「 」内は資料からの引用です。

(任意適用)

「IFRSの将来的な強制適用の展望を示し、IFRS適用の前提となる課題に着実に取り組みつつ、任意でIFRSの適用を認めることが考えられる。」

(任意適用の対象)

「例えば、継続的に適正な財務諸表が作成・開示されている上場企業であり、かつ、IFRSによる財務報告について適切な体制を整備し、前記のIFRSに基づく社内の会計処理方法のマニュアル等を定め、有価証券報告書等で開示しているなどの企業であって、国際的な財務活動を行っている企業又は市場において十分周知されている一定規模以上の企業等の連結財務諸表を対象とすることが考えられる。」

(任意適用時の並行開示)

「並行開示は、導入初年度における開示(前年度及び当年度財務諸表各1年分)に限定し、継続的な並行開示に代えて、IFRSと我が国会計基準の重要な差異の注記にとどめることや、導入初年度の並行開示(旧基準に基づく当年度分)については、監査人の監査の対象としないことなど、簡素で有効な情報提供の方策を検討することが適当」

(適用するIFRS)

「基本的にはIASBが作成したIFRS(日本語翻訳版)をそのまま適用」

「我が国において「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行」とは認められない場合には、当局として、当該部分の適用を留保すべき場合がある」

(任意適用の時期)

「例えば、2010年3月期年度の財務諸表からIFRSの任意適用を認めることが考えられる」

(個別財務諸表の取扱い)

「少なくとも任意適用時においてIFRSを連結財務諸表作成企業の個別財務諸表に適用せず、連結財務諸表のみに適用することを認めることが適当」

(強制適用)

「我が国においてもIFRSを一定範囲の我が国企業に強制適用するとした場合の道筋を具体的に示し、前広に対応することが望ましい。」

「IFRSの強制適用の判断の時期については、とりあえず2012年を目途とすることが考えられるが、前記の様々な考慮要素の状況次第で前後することがあり得る」

「IFRSへの移行が適当であると判断された場合に、実務対応上必要かつ十分な準備期間(少なくとも3年間)を確保した上で、上場企業の連結財務諸表を一斉にIFRSに移行」

金融庁ホームページに掲載されているもう一つの資料の方は、あまり目新しいものはないのですが、その中では米SECの次期委員長候補シャピロ氏に対する議会でのヒアリングの模様(翻訳と原文)が注目されます。新SEC委員長はIFRSへの移行のための費用の問題やIFRSの適用・執行が世界的に整合的にならないといったことを挙げて、IFRS移行のロードマップには拘束されないと述べています。(ただし、これは質問している議員がIFRSに否定的であるため、それに合わせて消極的な発言をしただけだという説もあります。)資料にこれを含めたということは、米国ですら揺れているのだから、日本も結論を先送りせざるを得ないのだといいたいのでしょう。

金融庁が国際会計基準の適用方針を明らかに,2012年に「強制適用」を判断

こちらの記事によると、審議会では「「日本として会計基準をこうしていくという明確な意思が見えてこない。海外からは米国に追従しているだけ,と思われるのではないか。米国が方針を変えたら日本も変えるのか」といった手厳しい意見も出た」そうです。

(補足)

上記のSEC新委員長の発言についてはこちらのサイトをご覧下さい。
http://www.tohmatsu.co.jp/ifrs/ifrs_ias_200901.shtml#headlline0119
(トーマツのサイトより)

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