アウトソーシング(外注)依存で大企業の力が落ちているというコラム記事。
「外注を管理する立場にありながら、外注先には一度も行ったことはない。さらに、その先にある下請けの会社は名前すら知らない。業務のつながりをまったく理解せず、下請け先のスケジュールも頭にはない。下請け会社が仕事を降りたいと言いだしても、代替候補の企業のリストアップすらできていない。業務の繁閑状況も知らないので、相手がピークのときに、さらに増産しろ、などと平気で無理を言う。
災害や事故など発生しようものならお手上げだ。全体像が頭になく、個々の会社の個別事情を何も知らないから、全体の復興をしようとしても、何をどこからどう手をつけてよいか全く分からない。とりあえず外注先の担当者を呼びつけて叱責し、期限を切っていついつまでに事態を収集しろと頭ごなしに命令する。
残念ながら、大企業の社員が担当する外注業務の多くはすでにこんな状態になっている。彼・彼女らの業績評価基準には、コストカットと、事故なく遅滞なく業務を遂行せよ、くらいしか書いていないから、それ以外には何の興味も持っていないのだ。」
「働き方改革」でこの傾向はますますひどくなるのだそうです。
ユニクロでも物流倉庫の業務丸投げで混乱しているそうです。
ユニクロ有明物流倉庫「大混乱」の理由を柳井会長に聞く(ダイヤモンドオンライン)
「──ところで、有明の物流倉庫が大混乱に陥っていますが、何が起こったんですか? かなりオペレーション効率も悪くなっていましたし、想定外の費用負担もかさんでいるようです。
柳井 自分たちで動いて一つひとつ事に当たらなければならなかったことを、取引企業に丸投げしてしまった。倉庫内の効率化も進んでいなかったから、費用だけがどんどん上がっていって。しかも、そういう状態だったんで、バッファー倉庫みたいなものをたくさん借りてて、余計に費用が積み上がっていってしまった。
──丸投げした先の取引企業に問題があったのでは?
柳井 いや、全然違う。丸投げしてしまった取引企業には、すごくいろんなことで協力してもらってるんです。うちがヘマをした。」
![]() | 週刊ダイヤモンド 2017年 7/8 号 [雑誌] (ユニクロ柳井正/藤井聡太四段×井山裕太六冠スペシャル対談) ダイヤモンド社 2017-07-03 by G-Tools |