会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

絶好調サンリオ、「不正発覚」で浮かんだ深刻事情(東洋経済より)

絶好調サンリオ、「不正発覚」で浮かんだ深刻事情

(これも逆粉飾の事例ですが)サンリオのロイヤリティ売上不正操作問題の背景などを解説した記事。

「サンリオでは2020年ころまで、創業以来率いてきた創業者の辻信太郎社長(当時)の下、前年度の売り上げに一定の成長率を乗じた予算がトップダウン式に決められていた。調査報告書によると、業績が低迷していた時期でも同様の手法で予算が設定され、それでいて予算達成に向けた有効な対策や事業計画が示されることはほぼなかった。

予算とは別に、各シニアマネージャーが営業担当者の報告などを踏まえて定期的に上司に提出する「売り上げ予測」にも、高い精度が求められた。売り上げ実績が予測を上回った場合でも、シニアマネージャーが叱責を受けるケースがあったという。

前年実績を基に売り上げを予測しやすい物販事業とは対照的に、ライセンス事業は取引先の製造実績などによって売り上げが左右されがちだ。しかしサンリオは物販事業を祖業として成長してきた経緯から、ライセンス事業においても高い精度での予測を求める規範が共有されていた。

こうした状況下で、本来計上すべき売り上げの一部を後ろ倒しにすることで、その後の予算達成をより容易にするとともに、売り上げ予測と実績の乖離を小さくしたいという動機が生じていたようだ。調査報告書内で示された各営業部の売り上げ予測と実績の一致率を見ると、不正が行われた一部の営業部だけ、予測と実績のブレが極端に小さくなっていた。」

予測・予算と実績との差異が小さすぎても、問題があるのかもしれません。

記事によれば、会社は、新しい経営陣のもとで、組織風土の改善に取り組んでいるそうです。 

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