「2023年3月期第3四半期報告書の提出」、「過年度に係る有価証券報告書等の訂正報告書の提出」、「2023年3月期第3四半期決算短信の発表」及び「過年度に係る決算短信等の訂正」に関するお知らせ(PDFファイル)
パスコ(東証スタンダード)のプレスリリース。
遅れていた第3四半期報告書を提出するとともに、過年度決算の訂正を行ったとのことです。
「当社は、2023 年2月7日付公表の「2023 年3月期第3四半期決算発表の延期及び特別調査委員会設置に関するお知らせ」でお知らせしましたとおり、利益の繰り越しに関する不適切な会計処理 が行われていた可能性があることが判明したため、社内調査を実施した結果、当社から独立した立 場の専門家による、専門的かつ客観的な見地からの調査分析、再発防止策の立案が必要であること から、外部専門家のみで構成される特別調査委員会を設置いたしました。
特別調査委員会の調査により、年度内に作業が完了したにもかかわらず、作業が残存するとして 案件を翌期に繰り越す処理、および年度内にすべての作業が完了しなかった案件について翌期に発生するであろう残作業を過大に見積もる処理が行われていたことが判明いたしました。その結果、 本来は当期に計上すべき売上高および利益が翌期に繰り越される不適切な会計処理が行われていま した。」
いわゆる逆粉飾ということになるのでしょう。2022年3月期の影響額を見てみると...
(単位:百万円)
2022年3月期は、それまでの利益先送りが一部解消される期だったようで、売上高と利益が水増しされた数字になっています。期末の純資産への影響額では、221百万円残っています(2021年3月期は353百万円)。
2023年3月期の第1・第2四半期は、さらに解消が進み、純資産への影響額は11百万円にまで減っています。
調査委員会の報告書も公表されています。100ページほどあります。
特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ(PDFファイル)
2022年3月に内部通報があり、同年4月には通報者からヒアリングも行っていますが、社内調査は2023年1月になるまで行われなかったそうです。
パスコ、4年で11億円不適切会計(日経)(記事冒頭のみ)