学園「ごみ撤去1億円」 国は8億円見積り 国有地購入(Yahoo)(朝日配信)
近畿財務局が国有地を極端に安い値段で学校法人に売却していた疑惑について、当サイトでも先日取り上げましたが、報道を受けて、財務局は売却額を正式に公表し、時価との差額について、埋蔵物撤去費だと説明したそうです。この記事ではその説明はあやしいといっています。
「財務省近畿財務局から国有地(大阪府豊中市)を近隣国有地の約1割の価格で買った学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池泰典理事長が13日、朝日新聞の取材に応じた。財務局は地下のごみの撤去関連費8億円以上を差し引いた1億3400万円で同学園に売ったが、籠池理事長は実際に撤去にかけたのは「1億円くらい」と説明。国の見積額との開きが約7億円になる可能性が出ている。
」
「財務省の資料によると、近畿財務局はこの売買にあたり、不動産鑑定士が査定した更地価格9億5600万円から、国交省が積算した地下のごみの撤去・処理費8億1900万円と撤去によって事業が長期化する損失を差し引いていた。
籠池理事長は13日に代理人弁護士らと取材に応じ、掘削中に廃材や靴、タイヤといった生活ごみが地下で見つかり、くいを打つ場所のごみは適切に処理したと説明。全てのごみは撤去していないが、子どもの体への影響はないとしている。
ごみの撤去にかけた費用は「1億円くらいかな」とし、財務局がごみ撤去費として見積もった8億1900万円については「知らなかった」と述べた。」
財務局と学校法人のどちらかが、いい加減な説明をしていることになります。財務局は8億円の撤去費の根拠をもっときちんと示すべきでしょう。例えば、学校法人側でかかった撤去費の実費を書類で確認したのでしょうか。中立的な技術者に工事の必要性や金額の妥当性を検討させたのでしょうか。会計検査院も、緊急に調べるべきです。
国有地売却額、一転公表 「ごみ処理費8億円控除」(朝日)
「公共随契の契約金額は公表が原則だが、近畿財務局は地元市議や朝日新聞による情報公開請求に対し、売却額を非公表としていた。財務省は公表に転じた理由について、「国有地を不当に安く取得したとの誤解を受けるおそれがあると判断し、森友学園が公表に同意した」と説明している。」
「一方、11年にこの国有地の取得希望を国に伝えていた別の学校法人は朝日新聞の取材に対し、撤去費を約2億5千万円と見積もっていたと答えた。12年4月に国交省から「大量の埋設物がある」と知らされ、見積もりをゼネコンに頼んだ。撤去費をふまえ、7億~8億円だった購入希望額を約5億8千万円に下げたが財務局から低いと指摘され、断念したという。
8億円を超える撤去費になったことについて、近畿財務局は取材に「森友学園による基礎工事中、さらに大量の埋設物が地下にあることが分かった」と説明している。」
企業開示を監督し開示の透明性を要求している役所でもあるのに、やっていることの透明性が非常に低いように思われます。
(財務局の説明が正しいとすれば、企業会計的には、地下埋蔵物によって、不動産の評価額が一般的な時価の10分の1になってしまうリスクがあるという教訓にはなりそうです。)
当サイトの関連記事
「地下埋設物は砒素」!? 学園側と財務省、不誠実な回答だらけの森友学園国有地取得(ハーバー・ビジネス・オンライン)
不自然極まりない「軍歌を歌う幼稚園」運営法人の国有地取得の経緯(ハーバー・ビジネス・オンライン)
<国有地>格安の謎…査定9億円、学校法人へ1億円で売却(Yahoo)(毎日新聞配信)
「安倍晋三記念小学校」が9割引どころかほぼ無料で9億円相当の国有地を取得していた事が国会質疑で判明(バザップ!)
「結果的には、9億5300万円相当の国有地から土地の地下埋蔵物の撤去・処理費用として8億1900万を控除してもらった森友学園は、それに先んじて「地下3mまでの埋設物の除去費用・土壌汚染除去費用」として総額1億3176万円を取得しており、極めて単純に引き算をしてみると大阪府豊中市の国有地約8770平米を取得するのに掛かったお金はほんの224万円となり、ただ同然と言うしかありません。」
森友学園「国有地9割引」疑惑 首相夫人が名誉校長の神道小学校の土地取引に次々と浮かぶ疑問点(BuzzFeed)
国有地を7分の1の値段で取得“愛国カルト小学校”の名前は「安倍晋三記念小学校」だった! 保護者にヘイト攻撃も(リテラ)
ごみの撤去「確認していない」 大阪の国有地売却問題(朝日)
大阪の幼稚園 保護者向けにヘイト文書…府が聴取(毎日)
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事