海外で捻出した裏金7000万円を無届けで国内に持ち込んだとして、西松建設の海外担当元副社長らが外為法違反容疑で逮捕されたという記事。
「逮捕容疑は、4人は共謀し06年2月~07年8月、計5回にわたり現金7000万円を国内へ不正に持ち込んだとしている。」
「同社関係者によると、裏金の持ち込みは藤巻容疑者が指示。香港に開設された裏金口座などから高原容疑者が過去3年間で約1億円を引き出し、国内に持ち込んだという。裏金は、東南アジアで建設工事を受注した際に経費を実際より高く見せかける方法で捻出したという。」
わざわざ日本に持ち込んだということは、当時は、海外工事の方が採算が良く裏金を作りやすかったのかもしれません。しかしドバイのバブル崩壊にみられるように、海外も状況が悪化しているようなので、現在はそうはいかないでしょう。
西松建設裏金:元部長が内部告発 藤巻容疑者が指示
こちらの記事によれば、逮捕された4人のうちの元部長(業務上横領で起訴)が内部告発して事件になったようです。
また、裏金に関与していたのはごく少数の幹部だけだったようです。
「複数の同社関係者によると、西松建設は部署間の縦割り意識が強く、裏金作りは海外事業を担当するごく一部の幹部しか知らなかった。(中略)管理部門が長い元幹部は「海外で作った裏金の存在を知っていたのは、ごくごく限られた最高幹部だけだろう」と話している。」
この会社に限らず、建設業は現場ごとに状況が異なるので、一律に管理することが難しい面があるのかもしれません。
西松建設元副社長ら、裏金持ち込み容疑逮捕 使途解明へ
こちらの記事では、裏金の金額が出ています。
「関係者によると、西松建設では過去5年間に、架空経費の計上などの手法で国内で10億円以上、海外で約10億円の裏金を捻出(ねんしゅつ)していたとされる。」
裏金の流出ルートについてもふれています。
「子会社の松栄不動産は、西松建設の裏金が使われる際に取引の形などをとって関係先との間に介在していたとされる。こうした仕組みには、資金の出所をわかりにくくさせる狙いがあったとみられている。」
完全に簿外のカネであれば、支払いするときに取引を仮装する必要もないように思われますが、裏金を受け取る側が正当なカネとして処理できるようにしたということでしょうか。
西松建設元副社長、裏金を直接管理か
会社のプレスリリース(1月14日)(PDFファイル)
「今般の事態発生を重く受け止め、徹底した社内調査を行い、原因を解明すると共に、二度とこのような反社会的な行為を惹起しないよう全社一丸となって、法令遵守と内部統制管理体制を築き、信頼回復に努めて参る所存」とのことです。
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