会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

オリンパス巨額粉飾事件 「実行犯に有罪判決」でも 本当の黒幕はどこに消えたのか(現代ビジネスより)

オリンパス巨額粉飾事件
「実行犯に有罪判決」でも
本当の黒幕はどこに消えたのか


オリンパス巨額粉飾の指南役たちの実刑判決を取り上げた記事。

「筆者がオリンパスの会計内容に不審な点があるとして月刊誌「FACTA」に記事を書いたのは、女子サッカーのなでしこジャパンがワールドカップで優勝した前回大会の頃である。・・・

あれからちょうど4年。なでしこは再び決勝進出を決める一方、オリンパス事件の関係者には判決が言い渡された。」

「すでに判決が下っているオリンパス旧経営陣らに対する量刑はいずれも執行猶予のついた有罪だった。捜査関係者も警察官僚も意外に感じるほど、東京地裁は旧経営陣に対して寛典で臨んだのだ。

すでに社会的制裁を受けていることや、私服を肥やしたわけではないこと、高齢で健康上の不安を抱えていること――などがその理由だった。判決文もわずか10枚ほどで、ある警察官僚が「簡易裁判のものかと思うほど、ペラペラの薄さだった」と拍子抜けしたほどだった。」

「それとは対照的に横尾被告らに対しては、厳しい判決が下った。

こうした粉飾決算関連の裁判で、横尾被告らのような外部の協力者を逮捕・起訴した例はこれまでなかったという。それを敢えて検察が起訴したのは、「より大きな額の不当な利益を得ていた彼らがお咎めなしとなるのはおかしいとして、東京地検特捜部の強い意向が働いたから」(捜査関係者)である。」

プロの不正には厳しいということかもしれません。監査人もプロの範ちゅうでしょうから、粉飾を知ってて見逃したということがあれば、厳しい処罰が待っているのでしょう。

「この日の判決で検察はかろうじて面目を保ったが、取りこぼしもあった。

実はオリンパス事件が世界的に耳目を集めていた最中、同社が立ち上げた第三者委員会は調査を進めるにつれて、「不審な点が次々と浮かび上がって調査すべき範囲が広がっていき、切りがなくなった。一定の期間内に調査が終わらない恐れが出てきたため、やむなく調査範囲を限定した」(第三者委員会関係者)という。

その調査報告書を下敷きにして捜査が進められた結果、損失隠し事件に関与して大きな利益を得ていたのではないかと疑われながら、捜査の網から逃れた者もいる。オリンパス事件のような国境をまたいだ経済犯罪に対し、この国の検察や警察はからっきし弱いことを露呈したのだ。」

その不完全な調査に基づく訂正報告書に、監査法人は適正意見を出したわけですが、本当にそれでよかったのでしょうか。発覚から4年たって、監査法人の中ではすでに過去の事件となっているようですが・・・。

「金融取引の専門的なノウハウを悪用して企業や投資家を手玉に取る闇の金融ブローカーは、今も増殖中だ。彼らにたかる現役の国会議員さえ判明しているし(筆者の取材に対し、金銭の受け取りを認めている)、大企業や官公庁で顕職を務めた中にもこうしたブローカーと手を組んで巨利を博している者がいる。また、ブローカーらの“業務”を後方支援する公認会計士や弁護士も、大手を振って歩いている。」

監査に関してはいろいろとうるさいルールがありますが、監査以外の業務をやる場合であっても、一定の職業倫理は必要でしょう。
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