東芝が2015年3月期決算の公表を6月以降に延期するという記事。「過去に不適切な会計処理が行われていた」そうです。
「東芝は4月3日、14年3月期のインフラ関連工事の会計処理に問題があったとして、室町正志会長をトップにした特別調査委員会の設置を発表。調査結果を取りまとめるとしていたが、当初想定していた原価の見積もりの過少評価以外にも調査が必要な案件があったほか、不適切な会計処理が14年3月期より前の決算期にも行われていた可能性があることが判明した。東芝は「調査結果に対する信頼性をさらに高める」として、第三者委員会の設置を決めたという。同委の具体的な人選は今後決める。
不適切な会計処理が行われていたのは、同社の社内カンパニーであるコミュニティ・ソリューション、電力システム、社会インフラシステムの3社とその関連子会社。」
「工事の原価総額が過少に見積もられても、翌期以降に修正され、最終的に損失は計上していたという。途中の決算期では「見かけの利益や売り上げが良くなっていた可能性がある」としている。」
東芝:不適切な会計処理…複数年度の決算修正の可能性(毎日)
第三者委員会設置のお知らせ(東芝)(PDFファイル)
「本日現在までの特別調査委員会の調査の過程において、一部インフラ関連の工事進行基準案件において、工事原価総額が過少に見積もられ、工事損失(工事損失引当金を含みます。) が適時に計上されていない等の事象が判明しており、また、工事進行基準案件における工事原価総額の見積りの問題以外にも、 更なる調査を必要とする事項が判明しており、 これらの事実関係の詳細調査及び発生原因の究明にはなお時間を要する見込みとなっております。」
「特別調査委員会によるこれまでの調査の結果によれば、2013 年度以前の過年度決算修正を行う可能性が生じており、これと併せて2014 年度決算への影響額を現在見極めているところであり、決算発表については、 6月以降となる見込みです。」
赤字工事になりそうなことが、最初から、あるいは途中から、わかっていたのに、工事損失引当金を計上していなかったというようなことなのでしょう。
金額的な話は全く明らかにされていませんが、東芝ほどの規模の会社で、過年度決算修正を行うほどだとすれば、ある程度大きな虚偽記載なのでしょう。
この会社のこの工事も大赤字だったようです。
↓
大型客船の建造難航、1336億円の損失計上 三菱重工(朝日)
「設計の不具合や造り直しが相次いで損失がふくらみ、2隻で約1千億円とみられる受注額を上回る規模になった。
8日発表した2015年3月期決算で、これまでの損失額1039億円に加え、297億円の特別損失を計上した。」
前にも書いたとおり、儲かった工事の利益は営業損益、大赤字の場合は特別損益というのはしっくりこないものがあります。
平成26年度 決算概要(三菱重工)
たまたまなのでしょうが、特別損失の「客船事業関連損失引当金繰入額」が、2014年3月期は64,126百万円、2015年3月期は69,534百万円で、ちょうどうまく2つに分けたようにも見えます。
会計士協会からはこういうのが最近出ています。
↓
当サイトの関連記事(「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」公表について)
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事