会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝、3000億円増資へ 優先株 半導体会社株に転換(東京新聞より)

東芝、3000億円増資へ 優先株 半導体会社株に転換

銀行から厳しくいわれているせいなのか、東芝のさまざまな資本増強スキームが報道されています。これもそのひとつで、特殊な優先株を発行することを検討しているという記事。

「経営再建中の東芝が今年三月末までに、三千億円規模の資本増強を検討していることが四日、分かった。分社化する半導体事業に参画する企業や投資ファンドに議決権のない優先株を引き受けてもらい、半導体の新会社の株式に転換できる権利を付与する方向だ。

東芝は米原発建設で最大七千億円の損失が見込まれており、負債が資産を上回る債務超過に陥る懸念がある。東芝本体が単純に出資を募ってもリスクが高く難航が予想されるため、優良な半導体会社の株式に切り替える好条件を与え、異例の手法で決算期を乗り切る考えだが、ファンドなどが応じるかは不透明だ。」

このような優先株は、本当に資本なのでしょうか。半導体新会社株の売却代金となる可能性のあるものを預かっているだけだとすれば、資本ではなく、負債に計上しなければなりません。

東芝は、米国会計基準採用会社なので、米国基準で、このような優先株を資本にすることができるのかを検討する必要が出てきます。形式上、株式発行だからといって、そのまま認められるということはないと思われます。単体決算は、米国基準は関係ありませんが、会社法で認められるのかというところから検討が必要でしょう。(会社法の解説書を見ると、取得請求権付株式というのがあるようですが。)

取得請求権付株式(ウィキペディア)

東芝、半導体株の追加売却検討 4月以降の過小資本対策で(産経)

「東芝が分社化する半導体事業の新会社について、株式の追加売却を検討していることが3日、分かった。3月末の分社時は20%未満を売却して、2千億~3千億円の資本を調達する予定だが、3月末の債務超過を免れたとしても過小資本の状況が続く。4月以降の資本増強策として、株式の49%程度まで売却する案などが浮上している。」

東芝 半導体事業の株式売却交渉開始 本体への出資検討も求める(NHK)

「東芝は、半導体の新会社の株式を売却するための1回目の入札を3日実施しました。その結果、アメリカの投資ファンドのほか、複数の半導体メーカーが入札に参加したということです。

ただ、関係者によりますと、東芝は入札に応じる会社に対し、半導体の新会社への出資だけでなく、東芝の会社本体にも数千億円規模の出資を検討するよう求めていることが明らかになりました。」
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