レール

息子へ

親が敷いたレールとよく聞きますが

親がレールわざわざ敷かなくても

世の中には既にレールがある

そのレールを勝手に取っ払って

勝手に別のレールを敷いて

遠回りしたのがあなた

それでも

自分から定時制高校を受け直し

働きながら

同級生たちとは２年遅れで卒業して

さらに夜間の短大に進学した

大学の卒業は

同級生と同じ年だった

帳尻だけはうまく合わせてしまうあなただった

１５から働いていたあなたはそのときすでに

就職すればすぐ使える人になっていた


自慢の息子

誰が何と言おうと笑おうと


おかんはずっと思っていたよ

たとえ世界中がおまえに背を向けたとしても

わたしだけは味方