白いむくげのため息(はしちゃんの詩)より 2012年08月31日 19時24分16秒 | 詩 白いむくげは 夏の間 主(あるじ)なき庭に 次から次へと 万の花を咲かせ続けてきた 夕闇のなかに 秋の足音をはっきりと 聞いた日から 己が身の潮時を思い始めて ため息ばかりついていた みんな寝静まり たった一匹の虫が 秋の歌を奏で始めると 青い満月さまが 白いむくげを照らし出し 語りかけた 「きれいだよ なんて優しく咲いたことよ」 青い満月さまに逢って もうちょっとがんばって 咲き続けようと 白いむくげの花は ひときわ 優しくおだやかに咲いた « 夏の幕は降ろされた | トップ | 太っちょの釣り荵 »