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この花が咲き始めた時からカラスノエンドウ、若しくはスズメのエンドウだと思っていた。確認のため調べているうちに、『クサフジ』であることが分かった。もう何年も間違えていたことになる。この花の季節が訪れるとカラスエンドウと呼ぶ由縁を知りたいものだと思いながらそのままだった。
クサフジと分かっても長い間カラスノエンドウと思い込んでいたのでカラス君のイメージを重ねてしまう。憎まれっ子のカラス君も高木から見張り番しながら鳴くときは別として、なかなかかひょうきんな仕草もする。彼らはのんびり散策するときは、歩を交わして鶏のように歩く。尾羽を振りながらりひょこひょこと歩く姿には親しみさえ覚える。ところが、急を要した時はぴょんぴょんと低くジャンプを繰り返し飛び立てる場所まであっという間に着く。
この写真はクサフジだが、図鑑で見るカラスエンドウの花は濃い桃色でとてもきれいだ。豆のサヤに良く似た実が黒く実るのでカラスエンドウと呼ぶそうな。この夏に実物のカラスエンドウに巡り会える縁が有りますように。
カラス君が「かあーかあー」と思い切り鳴き、私も思い切り「かあーかあー」と答えても、里山は決して迷惑そうな素振りは見せない。そんな、里山が好きだ。