現用のフォノイコライザー(アンプ)は「ぺるけ氏設計」の「MM型カートリッジ専用真空管(MCカートリッジ昇圧半導体ヘッドアンプ内蔵)」です。
MC型カートリッジは出力電圧が低く。「真空管式フォノイコライザー」を使う場合は、MMカートリッジの出力並みに昇圧しなければなりません。前段に半導体式ヘッドアンプ配置して昇圧する仕組みです。
ヘッドアンプを使わずに昇圧トランスを使う方法があります。こちらの方が歴史が古い。
伝送経路の引き回しによってはハムノイズが出る。トランス独自の音色が乗る。理屈上から避けています。
自分がこれまで聴いたフォノイコライザーで最高音質と思ったのは、YAMAHA HA-2にインスパイヤーされて、オーディオ師匠が試作したヘッドシェル内蔵増幅のMCカートリッジ専用フォノイコライザー(バランス回路)です。
真空管増幅に拘ったフォノイコライザーアンプでしたが、前段の増幅部にFETを使わざるを得ませんでした。
ヘッドシェルは専用設計、アーム内配線はバランスケーブルに変え、LPプレイヤーの本体にもアンプを内蔵する等、汎用性は皆無のものでした。
外観は美しくない。現在、休眠調。
ピュア真空管増幅ではMC型カートリッジ用フォノイコライザーは難しい。よって、昇圧トランスか、ヘッドアンプが必要になる。
現在、DAC製作をオーディオ師匠に依頼中。多機能を目指した結果、DAC内蔵プリアンプになってしまいました。
そうなると、フォノイコライザーも真空管増幅に拘る必要はありません。半導体フォノイコライザーの製作を依頼することにしました。
半導体(IC)の増幅率は真空管の増幅率より遥かに大きい。ワンチップのICをゲイン調整により、MM型カートリッジ用、 MC型カートリッジ用に切り替え可能です。
LPレコード再生カートリッジの出力線は4本ある。アース線のないバランス出力となっています。トーンアームが金属であれば、これをシールドとして使う。トーンアームにはアース線があるのはこのためなのです。繋ぎ忘れれば、壮大なノイズに見舞われます。
なお、以前の試作したMC専用イコライザーの場合はヘッドシェルを加工しFET増幅回路を組み込み、トーンアーム内配線をバランス線に変更。LPプレイヤーのボックス内増幅回路を設ける等、大改造が必要でした。既製品であるヘッドシェル、トーンアーム、LPプレイヤーを弄らなくてはならない。
汎用性がない。美しくない。結局、「お蔵入り」となりました。
半導体素子(IC)なら、MM型、MC型両用バランス増幅フォノイコライザーが出来る。既に市販品もあるようです。
P.S.
以上の仕様で製作依頼しました。
どうせやるなら、フォノイコライザーカーブは低域増強〜広域減衰。RIAAカーブも他の方式も基本は同じ。多少のカーブの違いはあったとしても、制作時のパーツのバラつきの方が大きい。RIAAカーブ曲線にしました。
P.S.2
その後、試作品が届き、ゲイン調整。パーツのグレードアップをして、6月初めに完成しました。
残念ながら、MCカートリッジにはゲインが足りない。と言うか、ゲインを上げると内部雑音が目立つ。通常のICティップではSN比が十分取れないようです。
MMカートリッジでは問題がありません。取り敢えず、MM専用として使う予定です。