○ハウリング
カラオケでスピーカーの前に立って歌うと、スピーカーから出る音をマイクが拾い、スピーカーが大音響。悲鳴を起こすことがある。これをハウリングと言う。
オーディオでも同じ現象が起こる。
LPレコード再生の場合、スピーカーは多かれ少なかれ振動している。その振動が床を通して、LPプレーヤーに届く。レコード盤、トーンアームは振動する。カートリッジはその振動を拾う。カラオケ時のマイクと同じである。
ボリュームを上げて一定量を超えると、
音量大 ⇨ 振動大 ⇨ 音量大大 ⇨ 振動大大
のループが出来上がり、歯止めが効かなくなる。
これを防ぐために
スピーカーを床から離すためスピーカースタンドに置いたり、振動が伝わらないようにインシュレーターを挟んだりする。LPプレイヤーの脚もインシュレーター構造になっているのが普通です。
ハウリングを起こしにくい場所を探す。
ハウリングマージン:実際に聞くときのボリュームの位置とハウリングの起こるボリュームの位置の差。当然のことながらその差は大きいほど良い。これをハウリングマージンと呼ぶ。
ハウルングを起こさない音量なら良いか?となるとそうでもない。
ハウリングに至るまでも、振動は「音の雑味」として載っていると考えるべきです。
ハウリングマージンを増やすには LPプレイヤーをスピーカーからできるだけ遠ざけること。理想的には別室に置けば良い。
他にもハウリングを起こすものもある。
スピーカーから出る振動は空気伝搬として、LPプレイヤーそのものを直接震わせている。
手っ取り早く分かりやすいのは、LPプレイヤーのアクリル蓋を閉じた時と開いた時はハウリングマージンを調べれば良い。開いていれば、アクリル蓋が音(空気振動)を拾い易くなる。また、蓋を開けた時にはLPプレイヤーのアームも空気振動を拾い易くなっていると考える。
蓋は敢えて外して置く、つかわない時だけに埃除けとして蓋を被せる人もいる。
その一方、LPレコード盤、アームは蓋で隔離されないので、空気振動に直接晒されることになる。
どっちが良いか。自分のLPプレイヤーの蓋は取り外し可能ですが、一々外すのは面倒。プレイ中は蓋は閉じて聴いています。
(自分のLPプレイヤーはLPレコード盤吸着式。ハウリングマージンを稼ぐ意味でも有効と考えます。)
床振動、空気振動を防ぐには、LPプレイヤーをスピーカーから物理的に離せば良い。
つまり、別室に置けばよい。普通そこまではしない。同じ部屋内で可能な限りハウリングマージンを稼げる場所をカットアンドエラーで探すことになる。
自分の場合、最悪の状態にある。昔の3点一式の配置。二つのスピーカーの間にLPプレイヤーを置かざるを得ません。
CDプレイヤーでハウリングを起こした経験はないけれど、CDが震えるのは同じ。スインアーム形式のピックアップならトーンアームと同じ。何らかの影響を受けているでしょう。
ネットオーディオは振動部分が少ない。ハウリングと言う観点から見れば有利である。
真空管アンプの場合、球を弾くと共鳴音が出る。空気振動も拾うと考えるべきです。
試聴室に置くのはスピーカーと椅子だけが理想でしょう。
でも、それでは味も素っ気もありゃしない。
ハウリングはない方が良い。共鳴を起きないようにしたい。振動は極力減らしたい。
スピーカーは重い方が良い。振動が他に伝わりにくくなるから・・・
アンプは重いものが音が良いと言われた時代があった。頑強な造りの証拠でもある。
オーディオ機器を繋ぐケーブル類、アンプとスピーカー間のスピーカーケーブル。
線材だけではなく、振動に強い構造が良いでしょう。
空中配線が良いとかのノウハウもあるようですが、機械振動・空気振動から隔離するの意味があるのかもしれません。
タイトル画面の300B出力管。指で弾くとカーンと言う音がスピーカーから出る。
多かれ少なかれ空気振動を拾うと考えるべきです。
振動の悪影響が聴感上で分かるかどうかは別の話。ないにこしたことはないでしょう。