
四連休、一日だけはどこかへ運動しに行くことにして、とりあえず初日は写真でも。決め手に欠けたが写美へ。
◆シュルレアリスムと写真 痙攣する美/東京都写真美術館
学生の時分はいそいそと見に行ったものだが、今欲しているものではなかった。
◆知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展/東京都写真美術館
ジャコメリといえば「若き司祭たち」の輪になって踊っている写真くらいしか知らなかったが、その「若き司祭たち」がこんなに若々しいスナップ作品の一部だったとは、また、ジャコメリがこんなにもいろんなスナップ作品を残していたとは知らなかった。これをして詩的と言わしめているのかと思われる、微妙な距離感と視線の向きが、いい。会員なのに入場料が高いなあと思ったが、イタリアやフランスの個人蔵のプリントをこれほどの数、集めてきた意欲展だったとは。恐れ入った。
◆越間有紀子/晴れときどき砂嵐/新宿ニコンサロン
スクラップアンドビルド激しい北京の街、67判?のカラー。
胡同の軒先に置いた椅子で居眠りする古老、背後には林立する高層マンション、という、やずやの新聞広告の写真に衝撃を受けて以来、行かねばと思いつつ腰が上がらぬまま、五輪の年となってしまった。撮りたかったものが眼前にある。いいなあ。
◆砥上淳/食を摂る~弁当配達員の記録~/新宿ニコンサロン
一日約40軒の独居老人宅に「高齢者専用お弁当」を届ける職を得た作家は、様々な人生の終末期を垣間見る。それを撮影したのは、写真を学んだ者としては当然のことなのかも知れないが、よく撮ったなと思う。果敢な姿勢を讃えたい。本展の新聞評には、核家族化は必然的に高齢者単独世帯を増やし、それは現代の姥捨てだとまで評する勢いだったが、作家の視線は淡々としている。猛烈に散らかった部屋の万年床を、不幸や孤独の代名詞と見るか、個人の歴史を積み重ねた城と見るかは、見る側の選択である。
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