上北沢暗室雑記帳

写真に関するよしなしごとを

上信電鉄

2008-07-29 00:05:18 | テツ
 土合まで行ってとんぼ返りではもったいないので、上信電鉄に乗ってみた。高崎に戻ったのはもう17時近かったが、この時期なら終点まで日は持つだろう。小幡にサイクリングに行ったとき見かけたゼブラ柄のもと西武電車が停まっていた。群馬サファリパークのラッピング。乗客は座席の半分近くが埋まる程度。休日なのに制服の高校生が大勢いて、目の前には男の子二人が大股開きでアイスモナカをかじっている。その横にはDSとケータイを交互にくりくりやってるセーラー服の女の子。ローカル私鉄らしい風情である。
 もとは小海線にまでつなぐ意気込みで上信電鉄という名前のようだが、下仁田まで30km強1時間程度の路線。かつてはこんにゃく芋輸送に活躍したものなのか、サビサビの有蓋貨車がいくつかの駅に放置されていた。地図上では、高崎から、世界遺産を目指す富岡製糸場の富岡を通り、国道に並行してほぼまっすぐ西へ西へという風に見えるが、電車はしばしばくいっくいっと曲がる。大きなカントが入っているのを幸い、結構なスピードで傾いたまま走っていく。おまけに古い車両なので乗り心地はあまりよくない。が、揺れるのもまた一興。車内のスナップには困るが。
 終点下仁田駅手前の一駅は、国道から離れた山腹を走るせいで、ほんとにこの先に街があるのか不安になる車窓風景となるが、まもなく開けてきて薄暮の下仁田に到着。降り立った乗客はもはや数名。折り返し電車を一本パスしてそれを見送ったら、集落の一角にあるにもかかわらずすっかり静まりかえってしまった。駅から神社まで伸びる幅一間程度の路地のような目抜き通りを歩いてみる。撞球場とかホールとかの看板があって、温泉街のような雰囲気。不思議なことにやたらと食堂とか飲み屋が多い。しかもほとんどが営業していて、中にお客のいる気配がする。道行く人はほとんどいないのに。もう少し東京に近ければ、ここでかるく一杯やって帰るところなのだが、実に惜しい。こんなに狭い範囲に密集しているのはどうしてなんだろうか。
 帰りの電車は、一本パスしたにもかかわらず、行きと同じ元西武の150形だった。ただしラッピングはマンナンライフ。車内にいる分にはほとんど変わりないが、窓に貼られたフィルムがじゃま。といってももう真っ暗。うとうとしているうちに高崎に戻り、ビールとカレーで虫押さえをしてから、グリーンの2階席で東京まで帰った。東京からわずか2時間ほどなのに、車で行くよりだんぜん地方色を満喫できた、18きっぷの旅らしい遠出だった。


JRホームの延長上のような位置にある上信電鉄高崎駅



群馬サファリパーク号



下仁田駅手前の閑散とした車内



下仁田駅(裏口側)



下仁田駅構内から改札口を見る



下仁田市街



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