上北沢暗室雑記帳

写真に関するよしなしごとを

写真展巡り091121

2009-11-29 23:58:00 | 写真展
 11月も終わりなのに、三連休の話を今頃。

■中嶋太一/龍の流れし夜/コニカミノルタプラザ
 ジャンクション?と思いきや、千葉都市モノレールの夜景。撮ってみたい被写体で興味津々。ビルの谷間や住宅街や墓場、いろんな場所で撮っていて面白い。列車の光跡を「龍」と称するネーミングもなかなか巧いと思う。ただ、もう少し暗めの、というか濃いめのプリントだった方が好みかな。

■上野雅之/砂漠の人/コニカミノルタプラザ
 インドの辺境の集落に住み込んでのドキュメント。モノクロ。中判のきめ細かな描写による臨場感と、浅いフォーカスによる遠景のボケが醸すはかない感じとが組み合わさって、架空の世界か遠い昔の物語のような錯覚を覚える。激しい気候風土だろうに、きわめて穏やかであたたかい雰囲気。

■中藤毅彦/サハリン/コニカミノルタプラザ
 コントラストの強い、粒子の目立つ画面に、傾いたフレーミング。同じサハリンなのに、先週見た貴島のそれとは対照的。この土地の色を生で見てみたくなった。

■コレクション展「旅」第3部「異邦へ 日本の写真家たちが見つめた異国世界」/東京都写真美術館
 「旅」展の最終回。意外と混んでて、行列の肩越しにパッパッと見て回って終わりにしてしまったが、もう少しじっくり見るべきだった。私の撮るお気楽観光写真も言葉の上では「旅」というテーマでくくられれる余地はあるはずだが、福原信三や伊兵衛、名取など、国外に出ることが貴重な体験だった時代のスナップショットにはその手のものも散見されたが、奈良原、川田となってくると「自己の存在理由を求める旅」で「作家人生にとっても重要な契機」となっているのだが、訪れたのがもし別の国だったなら、彼らのその後はどうだったのか。たぶんまた違う名作を見せてくれたに違いないのだが、自分がそういう体験をすることはもうないのか、したいとすればどういう気構えでどこに行けばいいのか、なんてことをふと思った。

■写真新世紀東京展2009/東京都写真美術館
 優秀賞5点のうち、新しい表現といえばAdam Hosmerの1/2という作品。一族の肖像写真に、コンピュータ上で引っ掻きまくったような線を載せてある。グロい。こういうものを見たいかと言われれば見たくない。その他の4点は手法的には新しくない。が、杉山の世界各地を舞台にしたセルフポートレートは見ていて楽しい。佳作入選作にも惹かれる作品はいくつかあったが、完成度でやはり優秀賞作品は一歩出ていると頷ける。
 例年、新世紀展をみるたび、このままじゃいけない的な気持ちに一時さいなまれるのだが、今年はなかった。もはや遠いところに行ってしまって背中も見えない、という気はしない。自分が見たいものを撮っていけばいいじゃないかという開き直り?。


 で、見たいものはと言えばこれかよ!?って感じだが、また隅田川へ水上バスを撮りに恵比寿から水天宮前へ。9月に撮り損なったのが心残りで。しかし全く調子悪し。


 流し足りなくて秋葉へ。前に来たときも適当な場所が見あたらず、この日もやっぱりそうで神田まで歩いてみたが成果なし。横断歩道を渡る人とシンクロしたのは面白かったが、あいにく写真的とは言い難い。。。


 帰り道に新宿で、件の水上バスフォトコンの入賞作品展。西口のイベントコーナー、いつも通りがかる方は選挙ポスター展がまばらに飾ってあるばかりで一体どこでやってるんだと探したら、こんな裏側でやってたのか。
 ナメてたけどみんな結構うまいわ。よく通ったなあ。大川端の高層マンションをバックにした夜景は5点くらいあった。もうあそこに撮りに行くのはよそう。
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