上北沢暗室雑記帳

写真に関するよしなしごとを

写真展&映画巡り06/07/02

2006-07-05 01:11:50 | 写真展
◆二つの山/畠山直哉/東京アートミュージアム
 前半、5月いっぱいやっていたバルタザール・ブルクハルトは見に行かれなかった。仙川までわざわざ電車で行く気にはなれず、チャリで行く日を伺っていたが、週末雨続きで果たせず。この日も途中で降られたが、畠山を見逃すわけにはいかないので。
 白一色の雪山を点々と歩く人影、尾根上のパノラマ、氷河観光の坑道入口。そこがどこかはどうでもいい。大判で捉えられた、大陸的なかすかに枯れた色合いとシンプルな造形が、全く変な例えだが、蒲鉾の切り口を至近から凝視したときのような驚きというか違和感というか、観察、という行為を伴って、本当はかなりの観光地を標本のように見せている。

◆アンリ・カルティエ=ブレッソン瞬間の記憶/シネマライズ
 渋谷のスペイン坂なんて何年ぶりだろうかとか思いながら、ライズXという30席あまりの映画館へ。
 ブレッソンが己のプリントを一枚一枚手にとってぼそぼそ喋る。クーデルカやアーウィットも出てきて、ブレッソン写真を絶賛するのだが、食後の強烈な睡魔に襲われ、1時間あまり何とか沈没せずに持ちこたえたが、記憶に残るセリフは皆無。しかし画面に出てくる写真には見たことのないのも結構あって、あらためて巧いなあと思い知った。そういえばブレッソン展、なんて、なかなかやらないような。他界したばかりでまだ財産管理者が今後の活用戦略を練ってるとこだったりするのかね。
 若い助手がべたべたと塗りたくるようにスポッティングをしている映像には驚嘆した。

◆世界報道写真展2006/東京都写真美術館
 テレビの画面でしか知らない事件や災害の一コマを、プリントを見るのはやはり臨場感が全然違う。また速報性とは別のスタンスが、理解と興味を与えてくれる。ただし、キャプションのレイアウトが悪く読みづらかった。

◆キュレーターズ・チョイス展
 展名の通り、都写美のキュレーターたちが収蔵作品を何点か選んでの展示。膨大な作品群を直に見て、どれを持ち出そうかなどと考えるのは、実にうらやましい作業に思える。舞台裏ではそれを上回りそうな苦労が隠れているのだろうが。企画展にはまらずなかなか展示する機会を得ない作品、なんてコメントに得した気分。子供たちが楽しめる仕掛けもなされていたようだが、閉館直前にバタバタと見たので遊べず。しかし18時閉館は早すぎないか。木金だけでなく土日も、夏場くらいは20時まで開けてほしい。
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