写真展巡り050623,25,27

05/06/22、めずらしく銀座で飲み会。ちょっと早く着いたので。

■滝沢友彦／THE WINK GAME／ガーディアンガーデン
　夜中に人気のない一角でゴロゴロゴロパタンカタンとやってるスケボー少年たちには、以前から写真的な興味を多少は抱いていたものの、多分に近寄りがたい雰囲気を醸してて、そういう知り合いもおらず、指をくわえてとまでは行かないものの、遠巻きにちらちら見ていたようなところ。
　その中の一人が、これからの社会生活での「武器」として選んだ「写真」に撮ったスケボー仲間とその周辺。通りすがりの見た目通り、爽やかとか健全とかの対極にある空気。でも、仲間内だけを追っかけるのではなく、路上に登場するいろんな人種、これもおおよそろくでもなさそうなのに働きかけて行ってるのが偉いと思う。好きになれないが、10年くらいすると貫禄というか厚みが出てきそうな写真だと思った。

05/06/24、先週買ったRB67のレンズを買いに行きがてら。

■小池徹／Silence／再春館ギャラリー
　東京の、騒音と喧噪の中に、なぜか静寂を感じる時間、場所。あるある。たいへん共感できるコンセプト。一見すると喧噪そのものなカットもあって、あれっ？と思ったが、対比のために必要か。

■田沼武能／武蔵野／キヤノンギャラリーＳ
　今も残る武蔵野の四季。「武蔵野の面影が…」なんてフレーズを耳にするたび連想するのは雑木林だけだったが、埼玉のあんな北の方まで武蔵野だったのか。あんな田舎っぽい農村のお祭りが首都圏でもなされているんだなあ。多摩ＮＴも、町田の方に一山越えると、玉石積みのしぶい田舎道（と言っても舗装はしてある）が現れてぴっくりするもんね。展全体ではちょっと冗長な感じもしたが、他より大きなプリントにしてあるカットは、普通にいいなあと思った。

■カイザーオノヅカ／色即是空／コダックフォトサロン
　ブルーシートに飛び散ったペンキ、草むらにうち捨てられたポリバケツ、町中のありふれた事物の断片的な色の組み合わせを捉えた写真群で、会場が絵の具のパッケージのように見える。フィルムでこれだけの点数をそろえるのは大変だったろう。
　もしかして、と思ったら、やはり大学のサイクリング同好会の先輩。10年近く前一度お会いしたきりだが、こつこつ個展をなさっているそうで。

■牟禮朱美／私的街景 Catch the motion ☆ emotion／コダックフォトサロン
　ひととおり見終わってびっくり。年下の女性の作だとは思わなかった。冒頭、「写真する歓び」なんて繰り返し書いてあるものだから、てっきり爺さんだろうと勝手に。
　遠慮がちな視線の、オーストラリアでのストリートスナップ。モノクロ。朽ちた塗り壁の前ではにかむ少女の胸元を斜めにとおる強い影の写真が、強く印象に残った。ああいう斜光線に弱いんだな。。

■岡部文・程田耕平／SNP(町方さんぽ写真同盟)2005連続写真展「緩やかな関係」／ギャラリーアーキペラゴ
　やわらかな陽ざし、火にかざす手袋をはめた手から、ちょっとシアワセでゆったりとした冬の休日の様子が窺えた。内情は、寒風吹きすさび会話も凍る怒濤のバーベキュー大会だったのかも。

05/06/27、土曜日に買ったレンズ、ミラーアップのレリーズボタンが不調でお取り替えのついで。

■川原登美子・徳元たつ子・山田美代子／癒される季節三人展／Pic
　一人は、映画の手描き看板とか、蚊取り線香だとかオロナミンＣだとか（どっちもなかったかも…）の広告看板のある風景。昭和アイテムによる街づくりをしている地域があるんだな。たしか青梅も。
　もう一人はガキどものスナップ、なんて言ったら怒られそうだが私の写真の分類として。意表をつくフレーミングもあり。
　さらにもう一人は農村風景。野良着の老女の笑顔のアップが印象的。子どもの笑顔も屈託がない。オーソドックスだがうまい、と思った。

■崔殷植／向き合う―川崎朝鮮初中級学校の記録／ガーディアンガーデン
　韓国からの留学生が日本で出会った朝鮮学校の存在、というフォトドキュメンタリーNIPPONとしてはこれ以上ないほどのお膳立てだと思うが、写真的には極めて普通の学校スナップ、に見えた。ハングルが写り込んでなければありふれた日本の小中学校風景。軍隊めいた運動会の更新や、ややすすけた教室から、もっと何かをすくい取るべきなのかどうか。撮影のスタンスの微妙さ加減そのものも狙いなのか。