今年になってからポツリポツリとしか写真展を見に行ってなくてブログにほとんど書いてなかった。人が表現しようとしていることがどうも頭に入って来づらい、かといって自分の思うところが噴出していて受け入れられないなんて状態でもない。単に鈍く、感情が薄くなっているだけのような。。。が、気分転換に、久しぶりにまとめて見たので、ざっと印象記を。
◆釜谷美由紀/N47ユジノサハリンスク/プレイスM
今朝ちょうど、ウラジオストックに行ったときのスナップをサイトに再アップするためにいじったばかりだったのだが、ロシアらしさを感じたのはわずかに写った高層住宅の風情だけ。まばらに写った人々の背中が、夏なのに弱々しい日差しの醸す陰影と相まって実に寂しい。そう、この物寂しさは共通するのだが、作家との視線の違いを強く感じた。違うのはまあ当然として、何気なくおそるおそる近寄って細部を観察しようとしているのが私のスナップなら、作家の視線は遠くをみているなあ、と。
◆田代今朝一/浅草ベイビイ/プレイスM
浅草の磁場、というか、気というか、そういったものを見せようとしているふうに感じた。被写体の風貌が、妙に特徴的な人ばかりで、というか芝居の役者が多いせいで、外国のように錯覚してしまった。
◆杉浦正和/麗春/ギャラリー蒼弓舎
満開の桜が、ハイコントラストで粒子の粗いモノクロプリントのせいで、実に粗暴に写っている。無数の桜の花びらが、杉山から立ち上る花粉のように、有害なものに見えて、実におもしろい。
◆岡田敦、志賀理江子/I am、CANARY、Lilly/コニカミノルタプラザ
第33回木村伊兵衛賞受賞作品展。岡田敦は、自傷行為の女性を被写体とする活動を新聞で見たことがあったが、名前は覚えてなかった。志賀理江子はぜんぜん知らず。その作品も、共感に結びつく手がかりが私には全くつかめなかった。
◆綿貫淳弥/豪雪の村~秋山郷~/コニカミノルタプラザ
長期間豪雪に閉ざされ、文字通り陸の孤島になる集落のドキュメント。モノクロが生活感を消しているのがよいと評されていたが、むしろ逆に、21世紀にもなってまだこうした事態に陥る地域があると生々しく語るにはカラーの方がよいのではないかと思った。
◆谷井隆太/えきすとら/コニカミノルタプラザ
観光地の集合写真撮影を仕事にしていた作家は、あるとき街に憩う市井の人々の姿態がまるでエキストラの様に見えたという。逆だろう、とすぐさま思ったが、エキストラのわざとらしさを感じた、と理解するのが正解のようだ。演じている訳ではないのにそう見えるのは、実は世の中みんな、それぞれが無数に見てきたドラマや映画の出演者のように体を動かすことが、自己の行動様式に無意識のうちに取り込まれているのかもしれない、という仮定は、あり得るような気がする。
◆内野雅文/車窓から/新宿ニコンサロン
先週見てきた清里やトーテムポールギャラリーでも追悼展が開かれているようだ。携帯電話のシリーズといい、本展の「車窓から」といい、実に自分と視点の似た作家だなあと思う。似たようなカットを並べるところも。
◆デジスコ倶楽部/第五回デジスコ写真展/新宿ニコンサロン
スポッティングスコープというのだろうか、鳥を見る単眼鏡の接眼部にコンデジをつけて、焦点距離3000mmで鳥や小動物を撮っている。そのシャープな写りに驚く。羽毛の1本1本がぴしっと写っていて、小鳥なのに実に暖かそうに見える。
◆倉田精二/都市の造形/epSITE
建造中の高速道路などの大規模な土木工事現場を、カラー中判の長時間露光でとらえた作品。月の軌跡の長さから相当な露光時間だと知れる。橋は結構動くものなのに、ほとんどぶれていないのが意外。通過する車両のライトや建設機械の激しい光跡が、大胆に画面に取り込まれているせいか。生々しい仮設機材も、大山顕のジャンクションのタイポロジックなまとめ方とは対極にあるダイナミズムを強調している。拙作SolidCurvesは、どちらに対しても非常に中途半端な気がしてきた。。
◆釜谷美由紀/N47ユジノサハリンスク/プレイスM
今朝ちょうど、ウラジオストックに行ったときのスナップをサイトに再アップするためにいじったばかりだったのだが、ロシアらしさを感じたのはわずかに写った高層住宅の風情だけ。まばらに写った人々の背中が、夏なのに弱々しい日差しの醸す陰影と相まって実に寂しい。そう、この物寂しさは共通するのだが、作家との視線の違いを強く感じた。違うのはまあ当然として、何気なくおそるおそる近寄って細部を観察しようとしているのが私のスナップなら、作家の視線は遠くをみているなあ、と。
◆田代今朝一/浅草ベイビイ/プレイスM
浅草の磁場、というか、気というか、そういったものを見せようとしているふうに感じた。被写体の風貌が、妙に特徴的な人ばかりで、というか芝居の役者が多いせいで、外国のように錯覚してしまった。
◆杉浦正和/麗春/ギャラリー蒼弓舎
満開の桜が、ハイコントラストで粒子の粗いモノクロプリントのせいで、実に粗暴に写っている。無数の桜の花びらが、杉山から立ち上る花粉のように、有害なものに見えて、実におもしろい。
◆岡田敦、志賀理江子/I am、CANARY、Lilly/コニカミノルタプラザ
第33回木村伊兵衛賞受賞作品展。岡田敦は、自傷行為の女性を被写体とする活動を新聞で見たことがあったが、名前は覚えてなかった。志賀理江子はぜんぜん知らず。その作品も、共感に結びつく手がかりが私には全くつかめなかった。
◆綿貫淳弥/豪雪の村~秋山郷~/コニカミノルタプラザ
長期間豪雪に閉ざされ、文字通り陸の孤島になる集落のドキュメント。モノクロが生活感を消しているのがよいと評されていたが、むしろ逆に、21世紀にもなってまだこうした事態に陥る地域があると生々しく語るにはカラーの方がよいのではないかと思った。
◆谷井隆太/えきすとら/コニカミノルタプラザ
観光地の集合写真撮影を仕事にしていた作家は、あるとき街に憩う市井の人々の姿態がまるでエキストラの様に見えたという。逆だろう、とすぐさま思ったが、エキストラのわざとらしさを感じた、と理解するのが正解のようだ。演じている訳ではないのにそう見えるのは、実は世の中みんな、それぞれが無数に見てきたドラマや映画の出演者のように体を動かすことが、自己の行動様式に無意識のうちに取り込まれているのかもしれない、という仮定は、あり得るような気がする。
◆内野雅文/車窓から/新宿ニコンサロン
先週見てきた清里やトーテムポールギャラリーでも追悼展が開かれているようだ。携帯電話のシリーズといい、本展の「車窓から」といい、実に自分と視点の似た作家だなあと思う。似たようなカットを並べるところも。
◆デジスコ倶楽部/第五回デジスコ写真展/新宿ニコンサロン
スポッティングスコープというのだろうか、鳥を見る単眼鏡の接眼部にコンデジをつけて、焦点距離3000mmで鳥や小動物を撮っている。そのシャープな写りに驚く。羽毛の1本1本がぴしっと写っていて、小鳥なのに実に暖かそうに見える。
◆倉田精二/都市の造形/epSITE
建造中の高速道路などの大規模な土木工事現場を、カラー中判の長時間露光でとらえた作品。月の軌跡の長さから相当な露光時間だと知れる。橋は結構動くものなのに、ほとんどぶれていないのが意外。通過する車両のライトや建設機械の激しい光跡が、大胆に画面に取り込まれているせいか。生々しい仮設機材も、大山顕のジャンクションのタイポロジックなまとめ方とは対極にあるダイナミズムを強調している。拙作SolidCurvesは、どちらに対しても非常に中途半端な気がしてきた。。
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