ヨハネの手紙第1,第2,第3
解説
口語訳聖書を引用
○
ヨハネの手紙 第1
紀元80年の後半から,
90年代の初め頃,
使徒ヨハネがエペソで
アジア教会に宛てて
書いたとされています。
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1ヨハネ1章
(1ヨハネ1:1,2)
「初めからあったもの,
わたしたちが聞いたもの,
目で見たもの,
よく見て手でさわったもの,
すなわち,いのちの言について
―このいのちが現れたので,
この永遠のいのちを
わたしたちは見て,
そのあかしをし,
かつ,
あなたがたに
告げ知らせるのである。
この永遠のいのちは,
父と共にいましたが,
今やわたしたちに
現れたものである―」
この「永遠のいのち」は
人格化されています。
ヨハネは,
神の子のキリストを
「永遠のいのち」と呼んでいます。
○
「罪をゆるし」
(1ヨハネ1:9)
「もし,わたしたちが
自分の罪を告白するならば,
神は真実で正しいかたであるから,
その罪をゆるし,
すべての不義から
わたしたちをきよめて下さる。」
わたしたちが罪を告白するなら,
神はわたしたちの罪を赦し,
きよめてくださいます。
○
1ヨハネ2章
「兄弟を愛する者」
(1ヨハネ2:10)
「兄弟を愛する者は,
光におるのであって,
つまずくことはない。」
神がわたしたちを
愛して下さったように,
わたしたちは兄弟を愛すべきです。
それが,神を信じる道に
つまずかない生き方です。
○
1ヨハネ3章
「罪を犯さない」
(1ヨハネ3:9)
「すべて神から生れた者は,
罪を犯さない。
神の種が,
その人のうちに
とどまっているからである。
また,その人は,
神から生れた者であるから,
罪を犯すことができない。」
わたしたちが
イエス・キリストを信じるなら,
わたしたちのうちに
イエス・キリストがとどまります。
このキリストは,
わたしたちを正しい道に
導いてくださいます。
○
兄弟を愛する
(1ヨハネ3:14-15)
「わたしたちは,
兄弟を愛しているので,
死からいのちへ移ってきたことを,
知っている。
愛さない者は,
死のうちにとどまっている。
あなたがたが知っているとおり,
すべて兄弟を憎む者は
人殺しであり,
人殺しはすべて,
そのうちに永遠のいのちを
とどめてはいない。
主は,わたしたちのために
いのちを捨てて下さった。
それによって,
わたしたちは
愛ということを知った。
それゆえに,
わたしたちもまた,
兄弟のために
いのちを捨てるべきである。」
「永遠のいのち」は,
愛と密接な関係を持っています。
イエス・キリストご自身が
つぎのように言っています。
(ヨハネ15:13)
「わたしのいましめは,
これである。
わたしがあなたがたを
愛したように,
あなたがたも
互に愛し合いなさい。
人がその友のために
人がその友のために
自分の命を捨てること,
これよりも大きな愛はない。」
○
1ヨハネ4章
神は愛である
(1ヨハネ4:7-9)
「愛する者たちよ。
わたしたちは
互に愛し合おうではないか。
愛は,神から出たものなのである。
すべて愛する者は,
神から生れた者であって,
神を知っている。
愛さない者は,神を知らない。
神は愛である。
神はそのひとり子を世につかわし,
彼によって
わたしたちを
生きるようにして下さった。
それによって,わたしたちに対する
神の愛が
明らかにされたのである。」
神がわたしたちを
愛してくださいました。
わたしたちは,
互いに愛すべきだといいます。
○
「愛のうちにいる者」
(1ヨハネ4:16)
「わたしたちは,
神がわたしたちに対して
持っておられる愛を知り,
かつ信じている。
神は愛である。
愛のうちにいる者は,
神におり,神も彼にいます」
わたしたちは,
イエスの愛を知りました。
そして,イエスを信じました。
わたしたちは神のうちにいて,
わたしたちのうちに神がいます。
○
1ヨハネ5章
「戒めを守る」
(1ヨハネ5:3)
「神を愛するとは,
すなわち,
その戒めを守ることである。
そして,
その戒めは
むずかしいものではない。」
神の戒めとは,
神を信じ,隣人を愛することです。
○
ヨハネの手紙第2
使徒ヨハネが書いています。
「選ばれた夫人とその子どもたち」
(1節)
に宛てていますが,
教会に宛てて書いたようです。
ヨハネが教会に警告します。
異端はグノーシス主義と言われ,
「キリストは神の子だから,
肉体をとっていない」
という誤りでした。
○
「真理のうちを歩く」
(2ヨハネ1:4)
「あなたの子供たちのうちで,
わたしたちが
父から受けた戒めどおりに,
真理のうちを
歩いている者があるのを見て,
わたしは非常に喜んでいる。」
イエス・キリストを
信じ従う人生ほど,
素晴らしい生き方はありません。
○
人を惑わす者
(2ヨハネ7)
「イエス・キリストが
肉体をとってこられたことを
告白しないで人を惑わす者が,
多く世にはいってきたからである。
そういう者は,
惑わす者であり,
反キリストである。」
イエス・キリストは,
肉体をとって来られなかった
という異端が
教会に入ってきました。
○
この異端に打ち勝ち,
互いに愛し合うことを
勧めています。
(2ヨハネ5)
「婦人よ。
ここにお願いしたいことがある。
それは,
新しい戒めを書くわけではなく,
初めから持っていた
戒めなのであるが,
わたしたちは,
みんな互に
愛し合おうではないか。」
○
ヨハネの手紙第3
ヨハネが,信徒のガイオに
手紙を書きました。
「すべてのことに恵まれる」
(3ヨハネ2)
「愛する者よ。
あなたのたましいが
いつも恵まれていると同じく,
あなたがすべてのことに恵まれ,
またすこやかであるようにと,
わたしは祈っている。」
イエスを信じる者は,
たましい,健康,
すべてが祝されるように
祈るべきです。
○
真理のうちを歩く
(3ヨハネ3,4)
「兄弟たちがきて,
あなたが真理に生きていることを,
あかししてくれたので,
ひじょうに喜んでいる。
事実,あなたは真理のうちを
歩いているのである。
わたしの子供たちが真理のうちを
歩いていることを聞く以上に,
大きい喜びはない。」
ヨハネはガイオをほめています。
2018-04-13