創世記 1-3章
(天地創造~堕落,救済)解説
創世記の1~3章の解説です。
創世記は天地創造から,
イスラエルの民の
エジプト移住までの物語です。
「ノアの箱舟」「バベルの塔」の話や,
アブラハム,イサク,ヤコブ
(のちにイスラエルと改名)
とその息子たちが出てきます。
「創世記」の中には,
著者を示す箇所はありません。
既存の資料を集めて,
編集したと考えられています。
編集者は,
伝統的にはモーセだと
考えられています。
1章~11章までは
天地の創造と「神の贖い」の
歴史を述べています。
12章~終わりまでは,
イスラエルの民族の4人の父祖の歴史が
述べられています。
○
人の創造
(創世記1:27 口語訳)
「神は自分のかたちに
人を創造された。
すなわち,
神のかたちに創造し,
男と女とに創造された。」
「神のかたち」の「かたち」とは,
ものの性格を外に現すものです。
イエス・キリストは,
神のかたちをあらわしています。
「キリストは,
神の身分でありながら,
神と等しい者であることに
固執しようとは思わず,
かえって自分を無にして,
僕の身分になり,
人間と同じ者になられました。」
エデンの園
(創世記2:15-17)
「神である主は人を取り,
エデンの園に置き,
そこを耕させ,
またそこを守らせた。
神である主は
人に命じて仰せられた。
『あなたは,
園のどの木からでも
思いのまま食べてよい。
しかし,
善悪の知識の木からは
取って食べてはならない。
それを取って食べるとき,
あなたは必ず死ぬ。』」
この神からの約束は,
人間の信仰,倫理の発展のために
与えられました。
人間の自制と克己のためでした。
この「エデンの園では」,
人間に意志の自由が
与えられていました。
○
アダムとイブ,罪を犯す
(創世記3:6,7)
「そこで女が見ると,
その木は,
まことに食べるのに良く,
目に慕わしく,
賢くするというその木は
いかにも好ましかった。
それで女はその実を取って食べ,
いっしょにいた夫にも与えたので,
夫も食べた。
このようにして,
ふたりの目は開かれ,
それで彼らは自分たちが
裸であることを知った。
そこで,彼らは,
いちじくの葉をつづり合わせて,
自分たちの腰のおおいを作った。」
○
最初の福音
(創世記3:15) 口語訳
「わたしは,
おまえと女との間に,
また,
おまえの子孫と女の子孫との間に,
敵意を置く。
彼は,おまえの頭を踏み砕き,
おまえは,
彼のかかとにかみつく。」
この神の言葉は「最初の福音」です。
アダムとイブが罪を犯した後,
神から与えられたものです。
「お前」とは,蛇すなわちサタンです。
「お前の子孫と女の子孫」とは,
救い主・キリストのことです。
「かかとにかみつく」とは,
キリストが十字架にかけられ,
死んだことです。
相手に激しい苦痛をあたえても,
それは致命的なものになりません。
「頭を砕く」とは,
サタンが致命的な打撃を
受けたことです。
サタンに対する
完全な勝利を示しています。
キリストは,蛇のきずなから,
わたしたちを解放してくださいます。
キリストが
サタンに打ち勝つことによって,
わたしたちを罪,死,サタンから
解放してくださいます。
○
いちじくの葉で腰のおおいを作る
(創世記3:7)
「このようにして,
ふたりの目は開かれ,
それで彼らは自分たちが
裸であることを知った。
そこで,彼らは,
いちじくの葉をつづり合わせて,
自分たちの腰のおおいを作った。」
神は人の裸を覆うために,
皮の衣を作って人に与えられました。
これは,神の罪人へのあわれみです。
○
皮の衣
(創世記3:21)
「神である主は,
アダムとその妻のために,
皮の衣を作り,
彼らに着せてくださった。」
アダムとイブが罪を犯した後の
神のあわれみです。
ここに,神の人への望みと
神の人へのあわれみを
見ることが出来ます。
罪を犯した後アダムとイブは,
いちじくの葉で自分の腰を覆います。
☆
パウロはつぎのように言います。
「バプテスマを受けて
キリストにつく者とされた
あなたがたはみな,
キリストをその身に着たのです。」
イエス・キリストを信じるものは,
キリストを着ていると
パウロは言います。
これは,パウロの体験にもなりました。
また,イエスを信じる者が
受ける恵みでもあり,
体験ともなります。
イエス・キリストを信じる者は,
キリストに
覆(おお)われているのです。
旧約聖書のヘブル語で,
贖(あがな)うという言葉は,
覆うと言うことを意味します。
この言葉は,キリストに覆われ,
包まれることを表わします。
それは,
イエス・キリストを信じるものが
キリストを着ることによって
成就します。
2018-10-03