紙芝居ボランティア(ページ2)(特徴・問題点)

3 紙芝居の特徴・問題点とその解決

 特徴に合っていないから駄目だというわけでなく、参考までに知っていると楽しさが増します。
①画面
絵巻物を源流としているので右から左に物語が動きます。少し変化がある画面が連続して話が盛り上がり、そこに場面がガラリと変わる状況が起こり転換し、終わりに向かったりこれを繰り返して話が進みます。物語の基本といわれる昔話に入れ子型の話がありますが、画面の構成そのものが入れ子のようです。遠目がきくように縁取りをし、背景は細かく描かない場合が多いです。
絵が大雑把な印象で批判されもしますが、子ども自身が描いたものに近い「子ども文化」として捉えればそれは長所でもあります。絵が連続せず1枚ずつのカードになっている場合も、話に連続性があればそれは紙芝居として仲間です。

②脚本
 説明にあたる地の文は少なく、ほとんどセリフで構成されます。「驚いた」とある文は、セリフを驚いたように言えばいいのです。文が長い場合、絵で見てわかる部分を削ったり、昔話の唱え言葉などを自分が親しんだものに変えるなど、機会をみて挑戦してもいいものです。
大人が子どもに与える紙芝居は教育調のものが多いので、それらは物語として捉えなおして演じてみましょう。

③演じ方
 絵を見て、気持ちを切り替えることにより人物の違いや状況を表します。演じ手は聞き手を見たあと画面を見て、聞き手の視線を画面へと誘導し、目線で対話することができれば楽しいです。
人前で語ると気分が高まりますが、それが自己満足につながらないようバランスをとりましょう。また、大勢で声をあわせる紙芝居は、ひとそれぞれ好き嫌いがあることを理解した上で、それに向く人が演じると無理がありません。
紙芝居はやっていくうちパフォーマンスに傾きやすく、自分も人気者になりたいと目立つ人にあこがれやすいですが、それはある種の個性で、地味なのも個性であり、「ナンバーワンよりオンリーワン」と偏らないよう混ぜていくのが一番です。そして演じ手は他者の意見を謙虚に受け止めましょう。また、イベント司会者のような技術がある人が子どもと対話しながら物語紙芝居をする場合がありますが、物語の場合はまっすぐ結末に向かうよう語るのがお勧めです。
「これでいいでしょうか」という気持ちがあれば、聞き手は「そうだね」と無言で合いの手を入れるような雰囲気が生まれます。「朗読」が「対話」になる瞬間です。

④ 出版
童心社、教育画劇、ほるぷ出版、汐文社、フレーベル館、NHK出版、大空社、すずき出版などが出版し、他に新規参入や復刻版があります。大型紙芝居も出版され、ほるぷの紙芝居はB4より少し大きいサイズです。店頭販売はほとんどなく、定期販売で出版社が決めたものが届いたり、シリーズもので数巻まとめ買いをする形が多いですが、分売可のものも増えてきました。個人的に買ってしまうとついそれ優先でやってしまうので、図書館で借りて公平な目で選べれば一番いいのです。

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