「武男と浪子を追って・その1」
巻の文化財で「のぞきからくり」というのがあり、観光施設でそれを見たことがあります。実際に動かすのは、もうできないそうですが、名調子の説経節も伝承されていると聞いたことがありました。その気になればDVDはどこかで借りられるだろうな、と後回しにしていましたが、やっと、16日に講演会の中で見ることができました。
それを聞きながら、「これはどこかできいたことのあるメロディだ」とぼんやり思い、今日、思い出しました。
2年前の秋に、みなとぴあで「昔の遊び」をやったときに、当会の女性のMさんが「昔、新潟でやっていたまりつき唄だ」と、まりをつきながら歌ってくれたのです。歌詞に「たけおとなみこのいきわかれ」とあり、「?」、と思いました。長岡地区の出身者に聞くと、歌詞が多少違ってはいるけれど、皆、知っていて大喜びでした。もちろん全国的なわらべ歌の本には、出ていない。
長岡出身で、わらべ歌研究で有名なきょうだいの方は、たまたま聞かなかったのか伝承の必要がないと思われたのか、な。
子どもがまりをついたり手をせっせっせしながら唄うために、早送りのような感じを受けます。また、説経節のように語尾が「あ~~」とのびることはないのですが、トントントンとリズムに乗り、しかも、ちょっと哀愁のある感じや、メロディ自体も似ています。歌詞も、「なんと色っぽい唄だ」「これは大人の歌詞だ」と思っていました。誰かすでに調べてあるのかも知れませんし、全然見当違いかも知れませんが、歌詞を書いておきます。
その後、『覗き眼鏡の口上歌』の本の中、不如帰の項に、似ている歌詞を見つけました。詳しくはこちら
(3月31日追記)
浪子と武夫というのは、明治時代の小説「不如帰(ホトトギス)」の登場人物らしい。ウイキペディアにみんな出ていた。なーんだ。
小沢昭一のDVDにもあるらしいし、みなとぴあに頼めば、巻のDVDも見ることができるかもしれません。落ち着いたら、せめて、聞き比べることまででもやってみようと思っています。
★まりつきうた 「いちばんはじめの」
いちばんはじめは いちのみや
にまた にっこう ちゅうぜんじ
さんまた さくらの そうごろう
しまた しなのの ぜんこうじ
いつつは いずもの おおやしろ
むっつ むらむら ちんじゅさま
ななつは なりたの ふどうさま
やっつ やはたの はちまんぐう
ここのつ こうやの こうやさん
とおで とおきょう しんがんじ
これほど しんがん かけたのに
なみこの やまいは なおらぬと
たけおが せんそうに いくときは
しろい ましろい はんかちを
ひとふり あげて ねえ あなた
はやく かえって ちょうだいな
ゴーゴーゴーゴー ゆく きしゃは
なみこと たけおの いきわかれ
にどと あえない きしゃのまど
ないて ちをはく ほととぎす
★ジャンケンのうた 「いちかけ にかけて さんかけて」
せっせっせ ぱらりこせ~
いちかけ にかけ さんかけて・・・(出だしは前の唄とほとんど同じメロディ)
しかけて ごかけて はしをかけ
はしの らんかん こしをかけ
はるか むこうを みわたせば
じゅうしちはちの ねえさんが
はなと せんこうを てにもって
ねえさんねえさん どこいくの
わたしは きゅうしゅう かごしまの
さいごうたかもり むすめです
めいじ九ねんのたたかいで
せっぷく なされた ちちおやの
おはかまいりに まいります
おはかの まえに てをあわせ
なんまん なんまん なんまんと
おはかの うしろで ゆうれいが
ふわり ふわりと
ジャンケンポン!