『おおぐいのダチョウ』について

『おおぐいのダチョウ』降矢洋子 脚本/絵 (童心社)
もう少し早くチェックすれば良かったけど、つい遅くなりました。
私は紙芝居ボランティアで、出版社などになんの義理もないし、これから関わることもないだろうし、実演する側の立場で、作品について意見を言わせていただきます。
印刷されているからいいものだとか、手作りはチェックが入らないからいまいちだ、という感覚もあまりありません。作者の経歴もたまに読みますが、それにとらわれない方がいいと思います。
印刷紙芝居は手作りと違って、枚数が限られていることは承知しています。作られる思想なども微妙に違うのだなあ、文が長いなあ、説明が多いなあと思うこともあり、それは特徴として認識していますが、実演者や見る人の立場からの意見も聞いて欲しい。
出版する前には、もちろん編集者のチェックが入るのでしょうから、私の感覚が間違っているのかも知れません。

いいなと思ったところ
・デッサンがとても上手くて、絵がいいと思います

これはちょっとね、と思うところ
・物語紙芝居なので、主人公を最初に確定させてほしいです。 ダチョウかなと思うと親方や村長になったり男の子になったりして、見る人は誰に気持ちをのせていいのか混乱します。
「しおり」に少年の成長を・・と書かかれ、3画面めに考える赤帽の少年がいます。もう少しその子をクローズアップさせるべきではないでしょうか。
7画面目に「おそれをしらぬ」と言うのであれば、絵は子どもの顔が分かるように上をむいて大きく描くなどした方がいいと思います。8画面もそう。

・ダチョウが歌う「さあさあいれましょ」などの歌詞は、楽しいイメージが大きく、「にくにくしげ」とか、食料を横取りする悪いやつのイメージで歌うためには大変な技量が要ります。
その土地の乾いた雰囲気もあって「さあさあいれましょ」と訳されたのでしょうが、「練習してここまでできるようになってお客さんの前に出ろよ」でなく、だれでもできるような状態で販売に出して欲しい。

・5画面目は、親方を右に、村長を左に描いたほうがいいと思います。

・11画面めは「ドドーッとたおれた」のあとで、次の12画面目に移ったほうがいいと思います。

・12画面目もやはり少年をもう少し大きく、顔を見せて描くべきだと思います。

・民話を伝えたいという意思で作られた作品なのでしょうが、話がおもしろく伝わらないと残念だな、と思います。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
«  脚本 『も...  歴史博物館... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。