社会的包摂

知り合いと雲尾周氏の話をしていて、ちょっと検索して、建議のことを知りました。
建議を教育委員会にかけて前に進めるのですね。先生に対しては、クロスパルができたときに講演を聞いて、「いいかも」と思いました。その後、息子が大学で雲尾ゼミに入ったのを知り、ちょっと冷や汗でした。

20年以上前、「付け加えの論理」という言葉に出会い、「排除の論理」の反対方向にあると納得し、自分では付け加え型に進んできました。時として排除したくなるのを抑え、人間の幅広さに驚き、なんとか一緒にやらなくちゃと知恵を絞ってやってきたのです。そして今、この付け加えの論理というのは、今でいう社会的包摂、のことのような気がしています。

昔の教育を受けた今の６０～８０代の人たちは、いいものだけを選ぶことから逃げることができずにいます。自分が一番最初に習った指導者を盲目的に信じて、今も大人だけのおはなし会で「〇〇さんに従って」（昔の図書館長）などと合言葉にしている様子です。全国的には「松岡享子氏の志とともに」などと集まりがあるそうで。
私も同じだろうか、最初に読んだ本から逃げられずにいるだろうか、と自問します。
皆と地球をシェアしているという高さから見ると、みんなそれぞれで良いのですが、でも排除の論理はまずいんではないかと思います。それは戦争を始める指導者の発想だからです。

新聞にはカスハラの記事があります。上には良い子、下には威張り散らす人もいて、私も何度か「お黙りなさい！」などと怒鳴られて、困ったことがあります。ブログなら黙らせるわけにはいかないでしょう、助かりました。
人間に上下関係があると思うと自然にそうなるのでしょう。本に上下関係を作る習慣が人間をそう作ります。図書館は今までの講座の誤りを認めてほしいし、ボランティアには上下関係がないということを改めて言ってほしい。
松岡享子も「こどもとしょかん」の記事の中でときどき他人のミスを怒っていました。これはパワハラで、ミスの原因を考えてシステムを変えて「包み込む」ほうに思考が動かなかったのだと思います。どうしてそうなったか。この場合は「先生おかしいですよ」と周囲の人が言ってくれなかったのが大きな原因だと思っています。