学童という 子ども文化の場で

先日は毎月行っている学童保育での実演でした。学童の子どもが増えてきて教室が3つあり、それぞれの教室のために日をずらして3回行っています。演じ手さんの都合があるので、それぞれ違うプログラムや演目でやるようになりました。

一昨日行った教室で、もう一人の会員さんが『アラジンとまほうのランプ』津田真一/長野ヒデ子(童心社)をやったときのこと。アラジンの奥さんが悪い奴に騙されて「魔法のランプ」を渡しそうになるところで。
「ダメだよ!」と低学年の男の子が叫んだのです。つられてみんながザワザワとしました。演者は「そうだね、みんなみたいに言ってくれる人がいればよかったのに」と言って次を続けました。
演じ手の巧みさはお見事でした。聞き手の子どもたちを見ながらしっかりと引っ張っていました。そして私は「昔、自転車の紙芝居屋さんに集まった子どもたちは、こんなふうだったのではないか」と感じたのです。私の感覚でしかありませんが。

この脚本も良かった、あの話をこういう風に切り取ってまとめるのだから、と津田真一を検索してみました。NHKテレビの夕方によくやる人気番組の脚本家でした。絵も、長野ヒデ子という、子どもに身近な画風の作家です。子ども文化と児童文化を別にして考えていく方法をよく使う私ですが、ひまわりクラブというのは「子ども文化」の場所だと認識してます。だから、バッチリはまったように思いました。

プログラムは絵本『とんかつのぼうけん』塚本やすし(ポプラ社)をやり、『アラジンとまほうのランプ』をやり、『まほうつかいのナナばあさん』平井貴子(教育画劇)をやりました。『まほうつかいのナナばあさん』は去年やったように、地の文を私、セリフ部分を子ども、と分担して読みました。
塚本やすしの絵本は、大胆で(絵も)長さが適当で、遠目が利くので、ひまわりクラブのように子どもがたくさんいても見えます。また、発想が「子ども」です。
20年位前、良書主義でひまわりクラブもやっていました。そのころのこと。一人の男の子が帰ろうとした私を呼び止めて「ねえ、面白くないよ」と訴えたのです。私はその時、どうすることもできなかった。今、期待に応えることができているでしょうか。「ダメだよ!」と叫んだ男の子とその子がダブって思い出されています。
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