図書館・語り・紙芝居・集団相手の絵本よみ・ボランティアなどについて書きます。
絵解きボランティア
読み聞かせボランティア入門
図書館読み聞かせボランティアの交流会が、先だってありました。年度変わりのころにやるのは珍しい。
秋の終わりに講演会があり、松居直さんと、佐々木宏子さんが来られるとのこと
。豪華そろい踏みといった感があります。や~~~、さすが政令指定都市
~。順番にも、涙ものです。
それから、読み聞かせ入門講座もあるそうです。これはいつも初心者対象で、くじに当たらないとダメだという狭き門でした。その他に、現在やっているボランティアが実行委員会形式で別に講座をする、という方向が決まりました。や~~~~、さすが~
、提案者には感謝感謝。
実際、やってみると、これもあれも教えておいて欲しい、ということは多いのです。私たちはほーんとに権威がないし、受講生のほうが年嵩・しかも元○○だった、とかおっしゃる方も多い。みんな対等という立場上、そうですねとやり過ごすことが多いのです。基本的ルールさえ流動的であるので、手探りでやっていくしかない。「皆が理解を進めている最中」と思って、せっせとサポートし、逆に自分も教えられ、やってきました。
余計なお世話かもしれないけど、ここがポイントということを、書いておきます。
書いて、自分だけ満足するのかと思うけど、誰か検索して気づいてくれることを願いつつ。
♥ 最初に良いものを与える、でなく、最初に人間の多様性を認める、という姿勢がないと、差別やいじめが始まります。人間の多様性が表現の多様性につながる、という姿勢は断固持って欲しい。これは保健衛生上の問題をふまえた上で、幼い子どもに対しても同じ。行き過ぎた童心主義の説明も、誰か、してくれるといいのに。
その時に、司書は、「自分は専門家だから、正しいものを教えてあげるわ~」という意識を完全に捨てなくてはならないはずです。それが出来るのかどうか。
♥ 現役ボランティア講座でも「誰かいい先生に来てもらってやり方を習おう」という発想をする場合があります。不安だから習って一種類のその通りにしようという集約型が、ホネの髄まで沁みこんでいるのですね。いい先生は秋の講演に来てくれるし。
図書館ボランティアなのに、どうしてみなさん「講演会」がそんなに好きなのか、不思議でした。特定の先生の話を聞くと、よっぽど気が強くないとその先生に平伏しやすいのです。書棚にはいろんな思想が並んでいるのに。
数年前の図書館ボランティア講座に来られた講師が病院のインフォームドコンセントになぞらえて「多様な情報が選べる図書館」みたいな話をしたそうです。(また、伝聞ですいません)でも、「その情報が正しいかどうか、疑ってかかる人を育てる図書館」にしてもらいたい。
♥ 最初から全て理解できるはずも無いのだから、参加者に頭の中をフォーマットだけでもしてもらう。それぞれが引き出しの多いタンスを持てということです。そして、相手や時代から学び、本を読んで、めいめいがその中に積み重ねていく。それが、知的楽しみでもある訳です。このことを理解してほしい。以下、引き出しの内容。
1の引き出し
歴史と理論・・・出版文化としての絵本の歴史。それから、絵を見せて語ることの歴史。歴史が分かると、自分はどの位置にいるのか、何を目的にすればいいのか、見えてくる。目的は人それぞれ違うこと。そうするとやり方が違うということが見えてくる。集団相手か個別か。そして、図書館はどういう目的を持って「おはなしのじかん」「いっしょによもうよ」を運営しているのか、説明する必要が出てくる。
2の引き出し
ボランティア理論・・・まず、ボランティアとしての概念。利用者のニーズに合わせること。学習ボランティアと福祉ボランティアを分けて考える人がいるが、図書館はどう思っているのか。他に、ドタキャン問題や責任を持つことについて。お稽古と違い誰かに指導されるものでなく、上下関係をつくらないこと。市民活動としての捉え方。
3の引き出し
美術と国語と造形に分けてみる。絵本の表現。竹内オサムさんの本がおもしろかった。描き方がどんな感じを与えるか、みたいな研究。
構成と構図・・・・劇画的構図、舞台的構図。連続と転換、詩の絵本に見られる並列型。
活字・文字のレイアウト・・・フォントの種類、レイアウトの意味
表現方法・・・画法(コラージュ、画材、紙の質など)
名称・・・・本の部位(見開き、背、見返しなど、奥付の見方)
分類・・・・物語絵本、詩の絵本、科学絵本、赤ちゃん向け絵本、など。分類するとわかりやすい、しかも、人それぞれ違う分類にすることがある、という基礎知識。
4の引き出し
音読・めくり方・・声を出すことのノウハウ。読み方やイントネーションやめくり方で各自がどう個性を出すか。派閥の先生に習うのでないこと。朗読と語りの区分け。
5の引き出し
プログラムを作ることの問題点・・・
ただ本を一定の法則で並べるのではないのですね。実は、生々しい話ですが、人を並べることでもあるのです。権力者を作る土壌でもあるのがプログラム作り。「○○さんは△△の講座を受けて偉いから、本は彼女の言うとおりにしておきましょ、私らよく分からないし」みたいなことが90パーセントあると思った方がいい。終わった後の反省会で作品批評をやるのは大切なことだけど、表現にまで踏み込み「先輩の片方の視点」からしか見ないことが多いのです。これは、マズイ。最初に、「本の受け取り方は人それぞれ違う」ことを言っておかないと、新人が巻き込まれる。
「おはなし会」というプログラムつきの会を複数人でやっている限り、その恐れはつきまとう訳です。それならばいっそ1人でやればいいが、1人でやると「人それぞれ好みの本が違うんだなー」と実感できない。図書館やJPICは、そういう現場の闇の部分を、見過ごしています。人間格付けシステムを認めながら来たのだと思います。行き着く先が、某図書館のようにHPのトップ写真に特定の本を載せて平気でいる。「そのやり方や情報が正しいかどうかを考えていない図書館、考える人を潰す図書館」です。まあ、やりたければ、やればいいけど。
6の引き出し
子ども文化と児童文化・・もともと子どもが持っている文化と大人が与えたいと思う文化。子ども文化を認めた上での児童文化であるはず。本を離れて、何かを作りたいとか本を使って別の楽しみ方をしたいとかいうのは、自然に近い子どもと共にある発想です。子ども文化として、このジャンルに入ると、考えています。
7の引き出し
図書館・・・行政機関としての図書館。市民活動として利用する図書館。出版事情、選書事情。利用方法。
8の引き出し
研究諸機関の一覧・・研究団体がたくさんあることを明らかにしておいて欲しい。
9の引き出し
多様な表現を認めながら、主体的に考えること・・
例えば、昔話の絵本(紙芝居)を実際に作ってみる。絵がかけない人には、適当なイラスト集やチラシから抜き出してA3位の紙に切り張りして、参加者分コピーしておく。昔話は様式的であるならば、おじいさんは△おばあさんは□、でもいいわけです。
参加者は、そこから切り取って張る。文章も、昔話ならどれかを参考にして、そのままでもいいし、直してもいい。下手で笑われることは、相手が笑って楽しんだことでもある、という発想の転換。「先生は偉い」「自分なんか」と異様に卑下する習慣は、なんとかした方がいいかもしれない。
秋の終わりに講演会があり、松居直さんと、佐々木宏子さんが来られるとのこと


それから、読み聞かせ入門講座もあるそうです。これはいつも初心者対象で、くじに当たらないとダメだという狭き門でした。その他に、現在やっているボランティアが実行委員会形式で別に講座をする、という方向が決まりました。や~~~~、さすが~

実際、やってみると、これもあれも教えておいて欲しい、ということは多いのです。私たちはほーんとに権威がないし、受講生のほうが年嵩・しかも元○○だった、とかおっしゃる方も多い。みんな対等という立場上、そうですねとやり過ごすことが多いのです。基本的ルールさえ流動的であるので、手探りでやっていくしかない。「皆が理解を進めている最中」と思って、せっせとサポートし、逆に自分も教えられ、やってきました。
余計なお世話かもしれないけど、ここがポイントということを、書いておきます。
書いて、自分だけ満足するのかと思うけど、誰か検索して気づいてくれることを願いつつ。
♥ 最初に良いものを与える、でなく、最初に人間の多様性を認める、という姿勢がないと、差別やいじめが始まります。人間の多様性が表現の多様性につながる、という姿勢は断固持って欲しい。これは保健衛生上の問題をふまえた上で、幼い子どもに対しても同じ。行き過ぎた童心主義の説明も、誰か、してくれるといいのに。
その時に、司書は、「自分は専門家だから、正しいものを教えてあげるわ~」という意識を完全に捨てなくてはならないはずです。それが出来るのかどうか。
♥ 現役ボランティア講座でも「誰かいい先生に来てもらってやり方を習おう」という発想をする場合があります。不安だから習って一種類のその通りにしようという集約型が、ホネの髄まで沁みこんでいるのですね。いい先生は秋の講演に来てくれるし。
図書館ボランティアなのに、どうしてみなさん「講演会」がそんなに好きなのか、不思議でした。特定の先生の話を聞くと、よっぽど気が強くないとその先生に平伏しやすいのです。書棚にはいろんな思想が並んでいるのに。
数年前の図書館ボランティア講座に来られた講師が病院のインフォームドコンセントになぞらえて「多様な情報が選べる図書館」みたいな話をしたそうです。(また、伝聞ですいません)でも、「その情報が正しいかどうか、疑ってかかる人を育てる図書館」にしてもらいたい。
♥ 最初から全て理解できるはずも無いのだから、参加者に頭の中をフォーマットだけでもしてもらう。それぞれが引き出しの多いタンスを持てということです。そして、相手や時代から学び、本を読んで、めいめいがその中に積み重ねていく。それが、知的楽しみでもある訳です。このことを理解してほしい。以下、引き出しの内容。
1の引き出し
歴史と理論・・・出版文化としての絵本の歴史。それから、絵を見せて語ることの歴史。歴史が分かると、自分はどの位置にいるのか、何を目的にすればいいのか、見えてくる。目的は人それぞれ違うこと。そうするとやり方が違うということが見えてくる。集団相手か個別か。そして、図書館はどういう目的を持って「おはなしのじかん」「いっしょによもうよ」を運営しているのか、説明する必要が出てくる。
2の引き出し
ボランティア理論・・・まず、ボランティアとしての概念。利用者のニーズに合わせること。学習ボランティアと福祉ボランティアを分けて考える人がいるが、図書館はどう思っているのか。他に、ドタキャン問題や責任を持つことについて。お稽古と違い誰かに指導されるものでなく、上下関係をつくらないこと。市民活動としての捉え方。
3の引き出し
美術と国語と造形に分けてみる。絵本の表現。竹内オサムさんの本がおもしろかった。描き方がどんな感じを与えるか、みたいな研究。
構成と構図・・・・劇画的構図、舞台的構図。連続と転換、詩の絵本に見られる並列型。
活字・文字のレイアウト・・・フォントの種類、レイアウトの意味
表現方法・・・画法(コラージュ、画材、紙の質など)
名称・・・・本の部位(見開き、背、見返しなど、奥付の見方)
分類・・・・物語絵本、詩の絵本、科学絵本、赤ちゃん向け絵本、など。分類するとわかりやすい、しかも、人それぞれ違う分類にすることがある、という基礎知識。
4の引き出し
音読・めくり方・・声を出すことのノウハウ。読み方やイントネーションやめくり方で各自がどう個性を出すか。派閥の先生に習うのでないこと。朗読と語りの区分け。
5の引き出し
プログラムを作ることの問題点・・・
ただ本を一定の法則で並べるのではないのですね。実は、生々しい話ですが、人を並べることでもあるのです。権力者を作る土壌でもあるのがプログラム作り。「○○さんは△△の講座を受けて偉いから、本は彼女の言うとおりにしておきましょ、私らよく分からないし」みたいなことが90パーセントあると思った方がいい。終わった後の反省会で作品批評をやるのは大切なことだけど、表現にまで踏み込み「先輩の片方の視点」からしか見ないことが多いのです。これは、マズイ。最初に、「本の受け取り方は人それぞれ違う」ことを言っておかないと、新人が巻き込まれる。
「おはなし会」というプログラムつきの会を複数人でやっている限り、その恐れはつきまとう訳です。それならばいっそ1人でやればいいが、1人でやると「人それぞれ好みの本が違うんだなー」と実感できない。図書館やJPICは、そういう現場の闇の部分を、見過ごしています。人間格付けシステムを認めながら来たのだと思います。行き着く先が、某図書館のようにHPのトップ写真に特定の本を載せて平気でいる。「そのやり方や情報が正しいかどうかを考えていない図書館、考える人を潰す図書館」です。まあ、やりたければ、やればいいけど。
6の引き出し
子ども文化と児童文化・・もともと子どもが持っている文化と大人が与えたいと思う文化。子ども文化を認めた上での児童文化であるはず。本を離れて、何かを作りたいとか本を使って別の楽しみ方をしたいとかいうのは、自然に近い子どもと共にある発想です。子ども文化として、このジャンルに入ると、考えています。
7の引き出し
図書館・・・行政機関としての図書館。市民活動として利用する図書館。出版事情、選書事情。利用方法。
8の引き出し
研究諸機関の一覧・・研究団体がたくさんあることを明らかにしておいて欲しい。
9の引き出し
多様な表現を認めながら、主体的に考えること・・
例えば、昔話の絵本(紙芝居)を実際に作ってみる。絵がかけない人には、適当なイラスト集やチラシから抜き出してA3位の紙に切り張りして、参加者分コピーしておく。昔話は様式的であるならば、おじいさんは△おばあさんは□、でもいいわけです。
参加者は、そこから切り取って張る。文章も、昔話ならどれかを参考にして、そのままでもいいし、直してもいい。下手で笑われることは、相手が笑って楽しんだことでもある、という発想の転換。「先生は偉い」「自分なんか」と異様に卑下する習慣は、なんとかした方がいいかもしれない。
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