堀尾青史という紙芝居の作家・研究者 の仕事を集めた展示会を、4月20日から5月3日まで、ほんぽーと中央図書館でやります。
展示の仕事をするのは初めてです。まず、堀尾青史の小冊子を読みました。その後、会員さん達に「展示をやるかやらないか」とお尋ねして、やる、という意見に引っ張られるようにして仕事を始めました。
全国各地の様子を見ると、展示と一緒に、実演会や講演会をやるところが多いことに気づきました。付け加えて、以前から他の紙芝居系の団体から「交流したい」との声が寄せられていたこと、定期的な実演の場にしていた「カミシバイハウス」を始めてから10年が経ったこと、などを合わせて、3つの事業を一緒にやるということで準備をしているところです。
展示物のカタログから、一般のお客様に何を見てほしいか考えて、選んでいきました。申し訳ないようですが「堀尾青史」と言っても一般の方々にはあまりなじみが無く、この名前で足を止めてもらうことは無理があると思いましたので、この材料を使って「紙芝居を作ることを身近に感じてもらえるよう」に構成することにしました。小冊子を作った子文研の人には「?」だったようですが、副題をくっつけることで関連させることにしました。全体で100位ある展示物の中から60位を借りて展示します。構図にどんな工夫がしてあるのか、文章の書き変えはどうするのか、すぐに分かるというものではないでしょうが、なんとなく「こうやってもいいんだ」と安心してもらえたらと思っています。
語りでは「よいテキストを選び抜いて、その文章をまず覚える」という指導の下、宮沢賢治の文を直す、などというのは大変な驚きでした。そのことを、10年以上も前ですが、図書館の人たちは紙芝居を「困ったもんだ」的に見ていたことも知っています。もちろん私のような者でなく、ちゃんとした作家が脚本化するのでレベルが違うのでしょうが、それでも当時は逆風が吹いたと思います。
でも、そのお蔭で、普通の人や子どもがあの不思議な世界を知る一助になったと思うのです。本物だけが素晴らしいのでなく、それを何とかしようと人びとが工夫を凝らしていくことに学びがあるのだし、目に見えない何かが生まれるような気がします。「絶対本物志向」の人にとっては不愉快に思うこともあるかも知れませんが、踏みつぶさないでいると面白く育っていくかも知れませんね。
作業は初めてのことだらけです。 「ハリパネを作って下さい」と図書館の人に言われて、思わず「ハリパネって何?」と返してしまいましたが、のり付きのスチロールボードだということはすぐわかり、また運よく自宅近くにそういうものを扱っている文具店があったので、簡単に手に入れることができました。
貼り付けも、いろいろアドバイスをもらい、やってみると楽しかったです。自宅にたまたま大きなベニヤ板があったので役に立ちました。貼る時は、部分的に切りこみを入れ、はくり紙を半分はがして貼り、貼ったところを手で押さえて残り半分のはくり紙をはがす、という作業で、「のびのびサロンシップ」を貼るのと同じ要領でした。これもふだんの生活が役に立ちましたね~。
また、展示品の搬入が、図書館に直接届けてくれという訳にいかないということを知り、とても慌てました。これは御自宅の空き部屋を使わせていただける会員さんのおかげでなんとか解決することができました。ほんとうに、どれか一つうまくいかなくても目的地にたどり着けないという事業の難しさを感じました。 まだまだこれから ひと山ふた山あると思いますが、せっせと乗り越えていこうと思っています。