図書館・語り・紙芝居・集団相手の絵本よみ・ボランティアなどについて書きます。
絵解きボランティア
『紙芝居―子ども・文化・保育』
『紙芝居―子ども・文化・保育』子どもの文化研究所/編(一声社) を読みました。
右手和子さんの実演指導が本の4割くらいを占めていました。『紙芝居のはじまりはじまり』右手和子/著(童心社)に沿った内容です。本を手に取ったとき、カバーの写真がどこかで見たことがあるような気がしたのですが、子どもの表情を捉えた感じが1986年初版の『紙芝居のはじまりはじまり』と似ているのですね。右手さんの講座を受けた方には、復習の意味もあるかもしれません。やっぱり、印刷紙芝居の基本だものね。実際の紙芝居を取り寄せて、本に沿って練習してみるといいかなと思います。そしてそこから、自分で工夫するともっといいかも。私などが「絵に合わせて演出すればいいんだよ」と何遍言ってもその思いが伝わらず、しょげちゃうこともあります。絵に合わせる、ということがもっと理解してもらえるといい。
本のチラシを見ると、「紙芝居サークルの研修テキストに」などと書かれています。演じ方や絵の構図や脚本の構成など、それぞれの専門家の執筆で、ポイントがよくわかります。
「魅力と可能性」の部分では「卑俗で猥雑なものは生命力の一つの現れだと思う」とあって、なんだかちょっと安心しました。「そそそそっ、そうなのよ」などと、自分のぼんやりした思いが言葉になっていてうれしかったです。こういうことをしっかり言ってくれる先生が今まであまりおられなかった。子どもの生々しい言動を止めようとする教育者が多い昨今、生きる力を引き出すのは、そういう紙芝居なんだよねと思っています。
リテラシーの面でも、「選別する力と豊かな人間性を育むには、玉石混交の文化、多様な人間に触れる事」・・・つまり、いいかどうか判断するためにはいろいろなものがなくちゃだめでしょ、と、これもすごく大事なことだと思います。
「子どもの成長と物語」については、今年1月の『子どもの文化』に書かれていたことでした。より読みやすくなっていて、1月号をコピーして会員さんの研修資料にした私は、この本を読んでもらえば良かったんだな、活字も大きいし、と思っています。
それから、子ども手づくり紙芝居が、どうしてこんなに面白いのか、その辺を書いてくれる先生がいれば、子どもがむやみに指導されることもなく、このままやって行けるのになあ、と思いました。
今まで、研修テキストといえば『新・紙芝居全科』子どもの文化研究所/編 を思い浮かべていましたが、この本は右手さんの説明部分が多いので、より活用できるのではないでしょうか。
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子どもの文化2月号特集「子どもがつくる紙芝居」をお勧めします。