予告通り、標記の記事を日本語化しましたので、掲載します。
吾輩を始めとする、おっさん達のお役に立てれば幸いです。
【体格】
体重 :62.00 kg / 62.11 kg
体脂肪率:7.7% / 7.4%
【ラン稽古】スケジュール休
※※※※※※※※※※※※※※※※
マスターズクラスのアスリートに役立つトレーニングのコツ
2019/12/26 by Simon Ward on TrainingPeaks
人間である以上加齢は不可避である。それを待ち望む人は恐らくいないだろうが、忌避するほどのことでもない。見方を変えれば、加齢に伴って振り分けられるエイジグループも変わり、それが有利に作用するという人もいるだろう。
加齢に伴って見られる身体上の変化の一例は以下の通りである。
・筋肉量の減少/筋力&発揮パワーの低下
・最大酸素摂取量の低下
・体脂肪率の増大
普段から身体を動かしているからそのような変化を無視しても問題ない、というのは誤りである。そのような変化の進行を遅らせる為に出来ることはある。
①高負荷×低回数のウェイトトレーニングに取り組む
筋肉量は30歳代中頃から減少し始める。その減少率は、最初の頃は3〜5%/10年であるが、50歳中頃からは7〜8%/10年となる。ここで減少するのは主に速筋であり、影響を受けるのはパワー/スピードである(≒持久力は比較的影響を受け難い)。
残念なことに、いわゆる持久力系競技(スイム/バイク/ラン等)は速筋の減少を食い止めづらい。というのも、それらの競技では速筋の減少を食い止めるのに充分な負荷がかからないからである。この点を鑑み、Stacy Sims博士はマスターズクラスのアスリートに対し、トレーニングの重点をLSDから高負荷×低回数のウェイトトレーニング(種目で言えばデッドリフト/スクワット/レッグプレス/ベントオーバーローイング等)に移すことを推奨している。
高負荷×低回数のウェイトトレーニングに取り組むと故障するかも、と考えるアスリートも多く見られるが、それはあくまでも方法(姿勢等)の問題である。正しい方法で行えば、得られる成果も多い。具体的には、最大筋力は向上するし、それに伴って発揮パワーも向上する。また、密性結合組織(靭帯、腱など)の回復力/復元力が向上し、その結果として故障し難くなることも期待出来る。少なくとも、筋肉量の減少スピードは低下させられるだろう。
②関節可動域を維持(可能なら拡大)する
加齢に伴い、関節周囲の筋肉/腱/靭帯は硬化し、関節(群)の可動域(ROM)は狭まる。ランニングでのスピード=歩幅×単位時間当たりの歩数と考えれば、関節可動域の狭小化はスピードの低下に直結する。
また、関節可動域が狭まると、故障の発生率が高まる。アスリートであれば誰しも故障したくないと考えるが、マスターズクラスのアスリートにとって故障はより切実な問題である。というのも、運動能力が一旦低下すれば、それを取り戻すのは困難だからである。関節可動域を拡大する方法として、Kelly Starrett博士は、週当りのトレーニング1時間当り15分間の柔軟性トレーニングを行うことを推奨している。
③高強度のトレーニングを怠らない
加齢に伴い、トレーニングの主力をLSDから高強度のトレーニングへシフトするべきである。上記①と同様に、この考えは直観に相容れないと思うアスリートも多いだろう。高強度のトレーニングは必ず成果を生むし、現時点で体調が良く故障個所の無いアスリートにとっては、何も恐れることは無い。
各人のこれまでのトレーニング履歴や回復力にもよるが、目安としては、時間で全体の10%程度は自覚的運動強度(RPE)=9〜10のレベルでのトレーニングを行うのが望ましい。
ランニングの場合、過去に下腿(ふくらはぎやアキレス腱)で何らかの故障が発生したアスリートでは注意を要するが、スイム/バイクについては何ら心配することは無い。高強度のトレーニングを実践するに当たっては、その内容が重要である。なので、必要ならば、回復期間を比較的長くとっても何ら問題ない。
④体調に注意を払う
これ迄のアスリート人生で得た経験は活かすべきである。トレーニング間の回復期間については、加齢に伴い適宜調整する必要がある。例えば、30歳代で高強度のトレーニングを2日間続けて出来たというアスリートでも、60歳代になったら間に1〜2日間の休養を挟む必要も生じるだろう。MTB/XTERRA界のレジェンドであるNed Overendでさえ、「若い頃と同じことは出来る、但し適切な休養さえとればであるが」と語っている。
少なくとも、自らの身体の調子には注意を払うべきである。マスターズクラスのアスリート達は、自らの身体を30〜50年間も酷使してきた。今こそ、その代償に向き合うべき時である。傷んだ関節、疲労した筋肉、酷使してきた心臓のメンテナンスをすべきだ。
自らの体調を改めて鑑み、これ迄のトレーニング内容や健康状態に疑問が生じたのであれば、躊躇せず休養すべきである。自尊心(もしくは自惚れ)を制御し、これからも長期に渡りアスリート生活を営み続けられる人こそが賢明なアスリートである。
いつかは、もうそれ以上アスリートとしての成長出来ないことを認めざるを得ない時期が到来する。しかし、運動能力の低下を可能な限り食い止める、というのも立派な目標である。上記①〜④を心がければ、これからも健康でスポーツを楽しめるであろう。
吾輩を始めとする、おっさん達のお役に立てれば幸いです。
【体格】
体重 :62.00 kg / 62.11 kg
体脂肪率:7.7% / 7.4%
【ラン稽古】スケジュール休
※※※※※※※※※※※※※※※※
マスターズクラスのアスリートに役立つトレーニングのコツ
2019/12/26 by Simon Ward on TrainingPeaks
人間である以上加齢は不可避である。それを待ち望む人は恐らくいないだろうが、忌避するほどのことでもない。見方を変えれば、加齢に伴って振り分けられるエイジグループも変わり、それが有利に作用するという人もいるだろう。
加齢に伴って見られる身体上の変化の一例は以下の通りである。
・筋肉量の減少/筋力&発揮パワーの低下
・最大酸素摂取量の低下
・体脂肪率の増大
普段から身体を動かしているからそのような変化を無視しても問題ない、というのは誤りである。そのような変化の進行を遅らせる為に出来ることはある。
①高負荷×低回数のウェイトトレーニングに取り組む
筋肉量は30歳代中頃から減少し始める。その減少率は、最初の頃は3〜5%/10年であるが、50歳中頃からは7〜8%/10年となる。ここで減少するのは主に速筋であり、影響を受けるのはパワー/スピードである(≒持久力は比較的影響を受け難い)。
残念なことに、いわゆる持久力系競技(スイム/バイク/ラン等)は速筋の減少を食い止めづらい。というのも、それらの競技では速筋の減少を食い止めるのに充分な負荷がかからないからである。この点を鑑み、Stacy Sims博士はマスターズクラスのアスリートに対し、トレーニングの重点をLSDから高負荷×低回数のウェイトトレーニング(種目で言えばデッドリフト/スクワット/レッグプレス/ベントオーバーローイング等)に移すことを推奨している。
高負荷×低回数のウェイトトレーニングに取り組むと故障するかも、と考えるアスリートも多く見られるが、それはあくまでも方法(姿勢等)の問題である。正しい方法で行えば、得られる成果も多い。具体的には、最大筋力は向上するし、それに伴って発揮パワーも向上する。また、密性結合組織(靭帯、腱など)の回復力/復元力が向上し、その結果として故障し難くなることも期待出来る。少なくとも、筋肉量の減少スピードは低下させられるだろう。
②関節可動域を維持(可能なら拡大)する
加齢に伴い、関節周囲の筋肉/腱/靭帯は硬化し、関節(群)の可動域(ROM)は狭まる。ランニングでのスピード=歩幅×単位時間当たりの歩数と考えれば、関節可動域の狭小化はスピードの低下に直結する。
また、関節可動域が狭まると、故障の発生率が高まる。アスリートであれば誰しも故障したくないと考えるが、マスターズクラスのアスリートにとって故障はより切実な問題である。というのも、運動能力が一旦低下すれば、それを取り戻すのは困難だからである。関節可動域を拡大する方法として、Kelly Starrett博士は、週当りのトレーニング1時間当り15分間の柔軟性トレーニングを行うことを推奨している。
③高強度のトレーニングを怠らない
加齢に伴い、トレーニングの主力をLSDから高強度のトレーニングへシフトするべきである。上記①と同様に、この考えは直観に相容れないと思うアスリートも多いだろう。高強度のトレーニングは必ず成果を生むし、現時点で体調が良く故障個所の無いアスリートにとっては、何も恐れることは無い。
各人のこれまでのトレーニング履歴や回復力にもよるが、目安としては、時間で全体の10%程度は自覚的運動強度(RPE)=9〜10のレベルでのトレーニングを行うのが望ましい。
ランニングの場合、過去に下腿(ふくらはぎやアキレス腱)で何らかの故障が発生したアスリートでは注意を要するが、スイム/バイクについては何ら心配することは無い。高強度のトレーニングを実践するに当たっては、その内容が重要である。なので、必要ならば、回復期間を比較的長くとっても何ら問題ない。
④体調に注意を払う
これ迄のアスリート人生で得た経験は活かすべきである。トレーニング間の回復期間については、加齢に伴い適宜調整する必要がある。例えば、30歳代で高強度のトレーニングを2日間続けて出来たというアスリートでも、60歳代になったら間に1〜2日間の休養を挟む必要も生じるだろう。MTB/XTERRA界のレジェンドであるNed Overendでさえ、「若い頃と同じことは出来る、但し適切な休養さえとればであるが」と語っている。
少なくとも、自らの身体の調子には注意を払うべきである。マスターズクラスのアスリート達は、自らの身体を30〜50年間も酷使してきた。今こそ、その代償に向き合うべき時である。傷んだ関節、疲労した筋肉、酷使してきた心臓のメンテナンスをすべきだ。
自らの体調を改めて鑑み、これ迄のトレーニング内容や健康状態に疑問が生じたのであれば、躊躇せず休養すべきである。自尊心(もしくは自惚れ)を制御し、これからも長期に渡りアスリート生活を営み続けられる人こそが賢明なアスリートである。
いつかは、もうそれ以上アスリートとしての成長出来ないことを認めざるを得ない時期が到来する。しかし、運動能力の低下を可能な限り食い止める、というのも立派な目標である。上記①〜④を心がければ、これからも健康でスポーツを楽しめるであろう。
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