秋ももうおしまいか?/簡易式LT(乳酸閾値)測定方法

2013年11月29日 | run
大阪市でも初雪だったそうです。
天気予報によると、このままズルズルっと冬の寒さに突入するのだとか。

右足底の水ぶくれ痕治療に万全を期す+初雪=ずる休み、でした。
明日は走る気まんまんです。


12月23日に開催される宝塚ハーフマラソンの参加賞が届きました。
これもモチベーションアップの一因です。

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"Competitor Running"誌からの転載です。

まじめにトレーニングをやろう!というのであれば、一度はLT値を測定するのをお薦めします。
正確な方法=血中乳酸濃度を測定する方法はなかなか機会もないでしょうが、トレッドミルを使ってスピードを徐々に上げたり、30分間タイムトライアルなら、心拍計があれば出来そうですね。
自転車組なら、固定ローラー台を用いたコンコーニテストでしょうか。

視覚的アナログスケール=Borgスケールを用い、感覚を指標とする方法はどうも怪しそうですが…。

感覚をベースにした、乳酸閾値の測定方法
by Matt Fitzgerald


 ある研究によると、乳酸閾値に達した時点は感覚でわかる、とのことである。

 最近のランナー向けトレーニングメニューには、必ず「乳酸閾値(Lactate Threshold, 以下LT)レベル」の強度でのトレーニングが含まれている。ここで言う「LTレベル」とは、乳酸(筋肉が糖を代謝してエネルギーを取り出す過程で生成される中間生成物)が筋肉中に蓄積され始める(=生成量>消費量)ような運動強度のレベルを指す。なお実際には、筋肉に蓄積出来なくなった乳酸が血液中に漏出してくるので、それを測定することになる。

 なぜLTレベルでのトレーニングを1回/週行う必要があるのだろうか?。その理由は、LTレベルでのトレーニングが身体能力を向上させるのに効果大だからである。大半のランナーにとっては、LTレベル≒30~60分間維持出来るスピードでのランニングに相当する(当然ながら、身体能力の低い者では30分間であり、同じく高い者では60分間となる)。つまり、LTレベルでのランニングとは、滅茶苦茶キツイものではないが、そうかと言ってイージーペースでもなく、いわばミドルペースでのランニングであり、知覚的には「ややキツイ」というものである。また、身体能力を著しく向上させ得る程の強度であるが、練習量に注意すれば終了後に疲労困憊となる程の強度ではない。

 LTレベルでのトレーニングによってもたらされる最大の効果は、一定期間速いペースを維持する能力が大きく増大する、ということである。つまり、出し得る最高スピードが伸びるのでなく、速いペースで走る際に疲労を感じ難くなるのだ。大半のランナーにとっては、LTレベルでのランニングスピードは10km~ハーフマラソンでのレースペースに相当する。

 LT値は血液中の乳酸濃度(=4mmol/L)で規定される。ただ現実には、ランニング中に血液中の乳酸濃度を随時測定出来る訳はない。そこで、血液中の乳酸濃度と心拍数 and/or ランニングスピードとの関連を測定する必要がある。それが予め判っていれば、トレーニングでは心拍数/ランニングスピードを指標にすれば良いことになる。どちらかと言えば、心拍数の方が利用し易い。というのも、心拍数は環境に左右されないが、ランニングスピードは走る場所の傾斜等に左右されやすいからである。

 LT値での心拍数を正確に測定する方法は、いわゆるLTテストである。これは、ウォーミングアップ終了後、トレッドミルのスピードを徐々に上げていく方法である(勿論、心拍計は着用する)。例えば、最初の3分間は10km/hrとし、次の3分間は10.8km/hrで…、と徐々にスピードを上げる。そして3分間毎に指先から採血し、乳酸濃度を測定する。そして、血液中の乳酸濃度が4mmol/Lに達するまでテストを継続する。テスト終了後、心拍数と乳酸濃度の関係をグラフ化し、LTに相当する心拍数を算出する。

 上記の方法の問題点は、
・実験室で行う必要がある=費用がかかる&便宜性は良くない
・侵襲的である
等である。これらの問題点への対策として、より簡便な方法が提案されている。これは、30分間のタイムトライアルを行う、という方法である。具体的には、ウォームアップ終了後、30分間のタイムトライアルを行う。そして、最後の10分間の平均心拍数≒LTに相当する心拍数と推定する。この方法と上記の方法を比較すると、特に差は見られなかった。しかし、この方法にも欠点は存在する。それは、30分間のタイムトライアルが高負荷という点である。

 よりランナーにとって負担が軽く、正確にLT値を測定する方法は無いのか?。率直に言えば、ある。ミュンヘン工科大学(ドイツ)のJohannes Scherr博士らの研究グループは最近、ランナー/サイクリストの感覚(もっと正確に表現すれば「知覚した努力度」)を基準にLT値を算出する方法を発表した。

 ここで言う「知覚した努力度」とは、ある辞典でどれぐらいトレーニングがきつかったかと感じた程度を定量的に表したものである。その評価には、昔からBorgスケールという道具が用いられてきた。Borgスケールには6~20の数値(これは心拍数=60~200拍を模したものである)が示されており、
6は「笑えるくらいイージーな努力レベル」と、20は「限界に等しい努力レベル」とし、その中で知覚した努力度を相対的に表現する。

 Scherr博士らは2,560名のランナー/サイクリスト(男女共、年齢=17~44歳)を被験者としてLTテストを行い、血中乳酸濃度を測定する際にBorgスケールで知覚した努力度も測定した。その結果、Borgスケールの13がLT値(血中乳酸濃度=4mmol/L)に相当することが明らかとなった。この結果は被験者の年齢/性別/運動能力等には関係なかった。

 この結果を応用すると、苦しみを覚えること無く、簡単にLTに相当する心拍数が求められる。つまり、心拍計を装着してイージーペースで走り始め、そこから定期的(=2~3分毎)に知覚した努力度を記録しつつランニングスピードを徐々に上げていく。そして知覚した努力度が13に達した時点で終了する。その時点での心拍数が、LTに相当する心拍数となる。

 ちなみに筆者が試したところ、LTに相当する心拍数は
・Borgスケールを用いた簡易式のテスト=160拍/分
・正確なLTテスト          =159拍/分
だった。

 


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