芹沢先生の型絵染 「暦」シリーズ
今月リビングに飾られているのは『1998年 -8月-』
8月は夏と秋のモチーフ。
青系の扇型には蝉・波・ひょうたん 夏のモチーフを、
ベージュの扇型には葡萄・里山 秋のモチーフです。
白・赤の市松模様はとても華やかに青系とベージュ系の色を引き立ています。
1998年のデザインはもともと、1959年(昭和34年)を元にした復刻版です。
*来月も次の月の「暦」を飾る予定です。
★芹沢けい介の「暦」について-------
人間国宝の染色家芹沢けい介先生は、1945年から 亡くなる1984年まで「暦」を制作し続けています。
「暦」シリーズはもともと 琉球紅型技法(布に染める技法)をそのまま和紙にもちいて染める技法で、今もその作り方を変えずに手間をかけて作られています。
戦後空襲で芹沢先生の制作が思うようにできなくなったのをきっかけに 狭い仮アトリエでも制作ができる和紙に染める『型絵染技法』を考案されたようです。
美しい「歴」のデザインを型紙に彫り、糊を置き、和紙を染めて、洗い、乾かしたもので、
水に強い和紙の特性を生かして『型絵染』はつくられています。
外国の将校向けに日本土産品として作ったのが始まりだといわれています。
芹沢けい介デザインの『暦』シリーズは日本版と外国版と合わせて、約60年分のデザインがあるそうですが
その中からかんたろがコレクションしている作品を毎月ピックアップしています。