型紙修業のため、鈴鹿に引っ越してきて11年。
私は車に乗る暮らし(今までと変わらぬ暮らし)は諦め、自転車で過ごしているのですが、自転車は実はこれで3台目。
工房のある白子という土地は
伊勢湾のほとりと言うか
本当に海が近い。
側溝にはザリガニじゃなくてカニがいたり...
道路で潰れて死んでいるのを見ると
あぁ海が近いんだな〜😌✨
と、海なし県の岐阜生まれの私は感慨深くその屍を眺めています。
(ちょっと待て。情緒あるふりしてるけどコイツめ)
ですから、普段吸って吐いているこの空気は完全なる潮風。
自転車が錆びる錆びる。
きっとおニューの愛機もあっという間に錆びていくんだろうな〜😂
今はまだ白いのでブラン・ミエと呼んでいます(呼んでない)
さて、冗談はさておき
今日は珍しいもののお手入れをしました。
おそらく10年ぶりほどのお手入れです。
それは
肘布団の修理。
肘布団とは、道具彫りと錐彫り、伊勢型紙で細かい模様を彫るための独特な彫刻技法のうちの二つのために必要なアイテム。
この2つ、実は彫っている姿勢に共通点があります。
肘を机に付いて彫る という点です。
△錐彫り
△道具彫り
私がメインで修行している突彫りは、小刀を持つ右肘は浮かせており、左肘も机に添えているだけで体重はあまりかかりません。
道具彫りと錐彫りは、がっつり両肘に体重をかけて姿勢を保つため、何もないと肘が痛くなってしまいます。
そのため肘の下に小さな座布団敷くのです。
これを肘布団と呼びます。
メインは突彫りと書きましたが、丸錐という錐彫りに似せた道具や、道具彫りも私の仕事の中で彫る必要があるため、私も肘布団の愛用者です。
今日は、この肘布団が約10年ほど使ってるうちにかなりペシャンコになってきたので、やっとこさ中身を足してあげることにしました。
そのために今回用意した重要アイテム!
\ジャジャーン/
ただの綿!
(byなんでもあるぜ!ダイソー)
こう見えてワタクシお裁縫は大の苦手でして...針で指をつくと何故かものすごくイライラする...💢
やっと重い腰を上げて今日の作業に至ります(笑)
久しぶりに針と糸に苦戦しつつ😵
なんとかかんとか😵
綿を追加して😵
開けた口を閉じました!
閉じてやりました!😡😡😡
もう二度と触らない...
ホラ!
見事にポンポンになりましたよ!
△アフター
△ビフォー
これで私の肘はこの先また10年間は守られることでしょう✨✨✨
実はこの肘布団、型紙修行始めるにあたってかなり初期の頃に友達が作ってくれたお手製のもの。
見てください!😍
表面を強化するために刺し子までしてくれている!(名前まで入れてある!)
そして何やらゴムが生えているのにお気づきですか?
これは私が特別にお願いして付けてもらいました。
本来肘布団にはゴムなんか付いていませんが、業界の先輩でバレーボールの膝サポーターみたいなものを肘につけて型彫に使っているのを見て
そうか!
机に置いとくんじゃなくって肘に装着すればいいんだ!😳
と思いつき、友達につけてもらいました。
作業中、肘からズレず、机から落ちない。
休憩に席を立ってお茶を入れたりする時も肘にくっつけたままできる!
トイレも行ける!
そしてすぐに作業に戻れる!
我ながらナイスアイデア😆😆😆
本当は肘布団くっつけたままドヤ顔でお茶を入れている写真でも、と思いましたが絵面が汚かったので辞めました。
そろそろ恥ずかしくなってきたのでこれ以上ゴム自慢はやめます。
(他の職人さんにバレたら馬鹿なことしてんな〜って鼻で笑われそう😂)
ゴムはともかく(笑)この肘布団は作ってくれた友達の思いが非常に嬉しく、ズタボロになるまで大切に使わせていただきたいと思います✨
最後に
この残った綿
どうしたらいいの.........
(ほとんど減った気がしないんだけど)
今日は珍しくタイムリーな工房日記を
珍しくお昼にアップしてみました。
それでは皆様今日も良い一日を〜(^o^)/