毎日寒すぎますね。
飲み物で暖を取ろうと日々お腹をタプタプにしている型屋2110です。
こんにちわタプ(˶❛ꁞ❛ ˶)
さて不穏なタイトルから始まる今回のブログ
不穏...型屋2110の大好物です
不穏なストーリー
不穏な音楽
不穏な事件考察動画
エンタメ全般に不穏が好きです😎
(歪んでるなあ)
話を戻して(笑)
着物や手ぬぐいなどを染める
染色道具伊勢型紙においての架け橋とは?
デザイン上、周りから切り離され
そのまま切り抜くとどこかへ飛んで行ってしまう部品に対して架ける橋のこと。
ツリ
と呼んでいる部分のことを指します。
伊勢型紙自体が型染め製品の裏側でしか存在しない道具ですが、ツリはさらにその型紙の中でも最終的には切除して無くしてしまう部分。
元々図案にはなく、保険のために架ける橋だからです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/c1/6abb0bfafc278141c3a8eebd9d27a6cf.jpg?1703073705)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/6d/8387a47cd3e4cc2c5c2f0c69eba00ecd.jpg?1703073716)
(どちらも黒いところを彫り残したいのでほとんどの場所がツリとなるデザインになっている)
このツリの部分が必要になるデザインと必要ないデザイン(ブログタイトル画像)だと、もちろん必要ないデザインの方が型紙は早く仕上がります。
ここで突然のクイズです!
ババン♫
手ぬぐいの代表的な水玉の柄、豆絞りを想像してください
A.白い手ぬぐい一面に青い点々が並んでいる豆絞り
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/b3/cc243be6cdb56b46a717c75386076326.jpg?1703071929)
B.青い手ぬぐい一面に白い点々が並んでいる豆絞り
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/d7/a1d165d531d785190c6f91d2edb942b2.jpg?1703071956)
どちらの手ぬぐいの型紙が彫るのが簡単だと思いますか?
🤔🤔🤔
難しすぎるのでヒント
手ぬぐいの主な染め方である注染は、
型紙の紙のゾーンに色が染まり、
切り抜いたゾーンは白生地になる。
どうでしょうか?
⏰タイムアップ〜〜〜
正解はBでしたー!
そこのあなた
惜しい!
(何でハズレた前提やねん)
Bの型紙は穴の形だけを点々とくり抜いたシンプルな型紙になります。
ではAは?
ここまでツリの話を説明しておいて何ですが(笑)浮いているパーツだらけのこのような柄は、点の間に方眼でも敷いたようにツリをつけまくって彫るか、
真ん中をぽっかり抜いた型紙を一度裏張貼りして準備し、別で大量に彫っておいた点々を1個1個のりで貼り込む方法があります。(玉貼りとよびます。)
私は過去に一度だけこの玉貼り作業をしたことがあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/b4/24ece501cdf15ac2481e132f5335c8f6.jpg?1703072293)
(2016年制作)
ツリをつけるか、貼り込むかは、ケースバイケース🤔
これらの作業がある柄とない柄では時間が大いに変わってきます。
ただ白黒反転しただけなのに
作業時間が全然違う
プリントであればとるに足らない変化ですが、紙を切り抜くアナログ作業の型紙にとっては大きな違いなのです。
価格を基本的には抑えてあげたいと思う型彫師としては
このデザイン白黒反対だったらな〜
と思うこともしばしば(笑)
しかし
なにより大事なのはデザインです!
白く染め抜かれるところと、染まるところのバランスはデザインに大きな影響を及ぼします。
型彫師が楽をするためにデザインされているわけではないのです!😂
そして自分自身もデザインを優先して考えていると
しばしばツリだらけの柄を作ってしまって後悔しながら彫ったりしています...
(おバカ!)
しかしこのツリも悪いことばかりではありません✨
彫り上がった型紙に
裏貼りをして乾燥させた後、
ツリ切りをするわけですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/2e/44e89b7d39c61fce50d207988151edf8.jpg?1703072514)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/3f/b90408b01712fe51f29abf66ec0424b4.jpg?1703072550)
糊が適度な濃さで裏貼りが成功すると
ツリ切りがとっても気持ちがいい!!
ごちゃごちゃと架けてあった橋(ツリ)をサクサク切り取って、元のデザインに戻していくこの工程が私はとても大好きです😍
裏一面に白い紙が貼られ地面がしっかりしているので、彫って繊細になった部分を折ったり引っ掛けたりする心配もありません。
うまい糊加減だと、ツリをパリッとはがすのがなんとも気持ちがよいのです。
▷こちらの動画の後半部分はツリ切りをしてます
糊が薄すぎたり濃すぎたりすると...
切り取るのに苦労したり😤
逆にくっついていて欲しいものまで剥がれてしまったりと😱
私の至福のツリ切りタイムは地獄の拷問時間となります。
このあたりの不穏さは好きじゃないです。
全然。
裏貼りは寝てる間に乾かす事が多いので夜に裏張りをします。
翌朝はいつも糊加減がうまくいってるか、ドキドキしながら起きます。
型を彫ってる夢を見てうなされることもあります。
(糊加減が心配で眠りが浅い)
寝ぼけまなこで小刀をにぎり
パリっと気持ちよくツリが取れた時の喜びと言ったら!😍
そんなこんなで私はツリ切りの作業が大好きです😊
保険のために架けた橋を
ことごとく壊し🔨(✧Д✧)カッ
まるで初めから
橋などなかったかのように
美しく仕上げる のが私の矜持です💪
(大口叩きましたごめんなさい。そうありたいと思っています)
どうせ取ってしまうこの橋は少ないに越したことはないのですが、つける箇所が少なすぎると、今度は裏貼りをする際に型紙を安心して持ち上げることができず、
下手をしたら裏貼りで型紙が歪んでしまい使い物にならなくなるという恐怖を経験します(^q^)
恐ろしいですね〜
そんなドキドキアドベンチャーな型紙制作をこれからも楽しんでいきたいと思います☺
それでは今回はこの辺で
良い1日を〜(^o^)/