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ゆるしの秘跡(告解)について

2022-09-05 13:21:58 | 日記
【ゆるしの秘跡について】

ゆるしの秘跡(告解)とは、司祭のもとで、自分の犯した罪を告白し、罪のゆるしを願うことにより、神からの罪のゆるしが与えられるというしるしです。

◆ゆるしの秘跡に必要な行為はつぎのとおりです。

【 痛悔(犯した罪を悔やむこと)】
良心の糾明(きゅうめい)をして犯した罪を思い出し反省します。

【司祭への罪の告白】
 大きい罪(大罪)はすべて告白します。小さな罪(小罪)は主なものを告白します。

【償いをはたす決意、およびその実行】
償いとは、罪に対する弁償。罪によって生じた損失、害を償い、失われた神への愛を
埋め合わせることです。(償いの内容は司祭から指示があります。祈り、善行、
犠牲などがあります。)


【罪について】

1.罪とは神のおきてに意識的に違反することです。自らの罪の状態に悩む人は、自分が裁かれるという恐怖を感じるものです。しかし神は、あなたを罪の状態から救うことを望んでおり、単純に「罪があるから救われない」というわけではないのです。神は絶対にあなたを見捨てることはありません。罪があるから、いけないというのなら、そもそも誰も信者になれません。人を招くのが教会です。しかし罪を離れようとすることも大事なのです。両方たいせつなことなのです。神は、人間を罪の中に放置しておくことができませんでした。絶えず私たちに御手をさしのべ、腕を広げておられます。

 2.罪には、大罪小罪の二つがあります。大罪とは、重大な事がらについて、はっきり意識し完全に同意して神のおきてにそむくことです。そして小罪とは、小さな事がらについて、あるいは重大な事がらであってもはっきり意識せず、あるいは完全に同意しないで神のおきてにそむくことです。

大罪は、神に対するはなはだしい忘恩(ぼうおん)と侮辱(ぶじょく)となり、成聖の恩恵を失わせ、天国のための すべての権利を奪い、地獄の終りのない罰を招きます。これに対し小罪は、成聖の恩恵は失わせませんが、神に対する愛を冷やし、徳の進歩を妨げ、この世あるいは煉獄の罰を招きます。

 (1.成聖の恩恵→神により、人間の永遠の救いのために人間に、超自然的に与えられる恩恵。2.煉獄(れんごく)→大罪をもたずに死んだのであるが小罪の償いをはたしていない霊魂が天国に入る前に苦しみを受けて清められるところ。)

 この説明により自分の罪が大罪であると思ったら教会に行き神父に「ゆるしの秘跡」をお願いしなければなりません。そして、大罪がなく、小罪だけならば「聖体拝領」や「悔い改めの祈り」を痛悔(自分の犯した罪を悲しみ、嫌うこと)の心をもって行なえば赦されます。またあとで示す信心業の祈りでも、小罪のゆるしと償いがあたえられます。)


【カトリック初心者の疑問 ゆるしの秘跡(告解)はどうやるのでしょう】

「告解」は洗礼を受けた後に犯した罪を司祭に告白し、司祭を通して神様からの赦しを得るものです。「告解」とも言っていますが、現在のカトリック教会では「ゆるしの秘跡」と言われています。

 日常の小さな罪(小罪:悪口言ったとか)はミサ中の「回心の祈り」や「聖体拝領」で赦され、大きな罪(大罪)の場合は「ゆるしの秘跡」が必要です。そして少なくとも年に一度は告解を行うことが定められています。

大抵、告解部屋には「告解手順」のような紙が置いてあり、貼ってあります。その通りにやれば良いのですが、慣れない告解に緊張していると、その紙の存在にすら気づきません。初めての場合は、多分、それが告解の手順書だとも気づかないでしょう。


告解部屋に入り、告解を始めます。初めてだと、焦ってしまいますが、落ち着いていきましょう。
部屋に入ったら、ひざまずいて自分の番になるのを待ちます。
(椅子に座るところもあるかもしれません)

仕切りの小窓が開くと、司祭が回心を呼びかける言葉を言います。
司祭:「回心を呼びかけておられる神の声に心を開いてください」
司祭と一緒に「父と子と聖霊の御名によって。アーメン」と言う場合もあります。

司祭:「神のいつくしみに信頼して、あなたの罪を告白してください」
信者:前回の告解がいつだったかを言い、それ以降の罪を告白します。
そして、最後に「今日までの主な罪を告白しました。ゆるしをお願いします」で締めくくります。

司祭が助言などをし、罪の償いを指示します。(祈りや、犠牲など)

司祭:「それでは、神のゆるしを求め、心から悔い改めの祈りを唱えてください」
信者:下記の祈りや部屋に用意されている「お祈りリスト」から選んで唱えます。
「神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、豊かなあわれみによってわたしのとがをゆるしてください。悪に染まったわたしを洗い、罪深いわたしを清めてください。」

司祭が、罪のゆるしを与えます。

司祭:「全能の神、あわれみ深い父は、御子キリストの死と復活によって世をご自分に立ち返らせ、罪のゆるしのために聖霊を注がれました。神が教会の奉仕の務めを通してあなたにゆるしと平和を与えてくださいますように。わたしは父と子と聖霊の御名によって、あなたの罪をゆるします」
信者:「アーメン」と答えます。
司祭:「神に立ち返り、罪を許された人は幸せです。ご安心ください」
信者:「ありがとうございます」

これで、告解は終了です。部屋を出たら、神様に感謝の祈りをし、
指示された償い(お祈り等)を行います。

【何を告解すればいいのでしょうか】

さて、告解で何を告白するかは、なかなか悩ましいところです。明らかな「罪の意識」があり、大きな罪(大罪)があればそれを必ず告白します。しかし「罪の告白」となると何を告白して良いのか分からなくなるときもあります。
「罪」と言っても小さな罪(小罪)、例えば、「人の悪口を言ってしまった」「困っている人がいたのに、急いでいたから見てないふりをした」「家族に対して冷たい態度をとってしまった」など、なんとなく心に引っかかっていることや、負い目に感じていることなどを告白すれば良いのではないかと思います。

『神に信頼しましょう。神は私たちの罪に興味をもっておられるのではなく、彼にとって価値があるのは、私たちの心の中にある愛だけです。大切なのは、罪を全部言ったかどうかではなく、すべてをゆるし、私たちの負債をすべて払ってくださる神のあわれみを信じることなのです。』 (ゆるしーカルデラリ神父)

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つぎの祈りを痛悔のこころをもってすれば小罪がゆるされます。

◆悔い改め(痛悔)の祈り

全能の神に告白します。
わたしは、思い、ことば、行い、おこたりによってたびたび罪を犯しました。
聖母マリア、すべての天使と聖人、そして兄弟の皆さん、罪深いわたしのために神に祈ってください。そして神がわたしをあわれみ、罪をゆるし、永遠のいのちに導いてくださいますように。アーメン。

◆イエスの御肩の御傷への聖ベルナルドの信心の祈り

これはフランス・クレルヴォーの地、シトー会の修道院長であった聖ベルナルド(クレルヴォーのベルナルドゥス)が祈りの最中に、御受難の間にもっとも主が苦しまれた身体的痛みはどれであったかと、イエスに尋ねました。すると主は答えられました。

【読書】
(このイエスのみ言葉のなかにある罪の赦しの約束を黙想したのち次の祈り文にはいる)

 十字架をかついだために、私の肩には三つ指ほどの深さがあり、三本の骨がむきだしになるほどの傷ができた。これが他のすべての傷より、もっと大きい苦しみと痛みを私に与えたが、このことは人々には知られていない。しかし、あなたはこれをキリスト信者たちに知らせ、この傷の功徳を通して彼らが私に頼む恵みは、どのようなものでも聞き入れられるということを知っておきなさい。また私は、毎日私のこの傷への愛のために私に崇敬(すうけい)をささげる人すべての小罪を赦し(告白された)大罪を忘れよう。また彼らが突然の死に見まわれることはなく、臨終(りんじゅう)の時には幸いなる乙女マリアの訪問を受けて、さらに恩恵とあわれみを獲得(かくとく)するであろう。



十 祈り文
 まことに愛するイエス・キリスト、じつに柔和な神の子羊よ、哀れな罪人である私は、思い十字架をカルワリオ(処刑の地:ゴルゴダ)に運ばれるときに、あなたがお受けになった聖なる御傷(おんきず)を礼拝し崇敬(すうけい)いたします。そこには三本の聖なる骨があらわにされ、あなたは限りない痛みを忍ばなければなりませんでした。この御傷の功徳(くどく)によって、あわれみのうちに、わたしの大罪小罪のすべてを赦し、臨終の時に私を助けて、どうかあなたの御国(みくに)に導いてくださるように懇願(こんがん)いたします。アーメン。




この祈りに加えて、『アヴェ・マリアの祈り』を三回唱える。

アヴェ・マリア、恵みに満ちた方、
主はあなたとともにおられます。
あなたは女のうちで祝福され、
ご胎内の御子イエスも祝福されています。
神の母聖マリア、
わたしたち罪びとのために、今も、
死を迎える時も、お祈りください。アーメン。

【祈りの解説】
 聖ベルナルド(1090-1153年)は、教皇エウゲニウス3世(在位1145-1153年)に熱心に、この祈りと「天使祝詞」を3回、私達の賛美される(あがない主である主イエスの肩の御傷に光栄を帰すために唱え、罪を心から悔やむすべての者に非常に大きな免償を懇願(こんがん)し承認された。この祈りを行うたびに、三万の霊魂が煉獄から解放される。この祈りを痛悔の心をこめて祈ることにより小罪がゆるされ、罪の償いの祈りとしても大きな効果を得られる


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